須坂藩の要職をつとめた浦野家が明治時代に建てた近代和風建築の庭園。国登録有形文化財。神林家のお庭も。
ふれあい館しらふじ&神林家について
2019年のGWに初めて須坂市に行きました。目的は豪商の邸宅『田中本家博物館』。更に観光施設と公開されている長野県宝『旧小田切家住宅』、国登録有形文化財の『旧越家住宅』を紹介しましたが、同じく国登録有形文化財の公開施設が「ふれあい館しらふじ」(※2020年時点では施設の運営方針が変わり公開停止中)。そしてその向かいにある旧家・神林家を紹介します。
■須坂市ふれあい館しらふじ(旧丸田医院)
須坂藩の要職をつとめた浦野家が明治時代初期の1875年頃に新築した邸宅で、明治の後半に丸田医師が取得し洋館を増築。「ふれあい館しらふじ(旧丸田医院)」として長屋門・築地塀・土蔵・雑蔵・主屋・洋館・物置の7棟が国登録有形文化財となっています。平成年代に須坂市に寄贈され、街中の交流施設として開館。
須坂のメインストリートでもその土蔵と築地塀がひときわ目を引くのですが、その足元は“ぼたもち石積み”という石垣によって平行が作られている。長屋門をくぐるとその名前の由来となっている樹齢100年以上の白藤があります。ちょうど見頃だった!
…そして武家屋敷風の主屋に沿った庭園の写真は撮ってたけど建物内の写真を全然撮ってなかった…特に洋館。この頃はまだ近代建築への興味が今程じゃなかったんだっけか…。
しかし「学習・交流施設」だけではなかなか継続するのが難しかったようで、2019年度で閉館し今後は民間事業者を募集するそう。古建築・文化財を活用していくのもただでは立ち行かない。難しい。
■神林家
※Googleマップでも出てくるし門前にも説明板がありますが、個人の住宅なので見られるとは限りません&見られた場合もご配慮を。
神林家は『旧小田切家住宅』の小田切辰之助とともに日本初の製糸結社「東行社」を創立した神林民蔵が明治時代に建てた邸宅。現在は建物前面がトタンで隠されていますが町家作りの建築が残されているそうでその屋根や妻飾りは当時からのものみたい。入ってすぐのところに石組がなかなか豪快な枯池式の庭園とお茶室が残されています。
なお須坂の街では『信州須坂オープンガーデン』と称し、それ以外のお宅のお庭も見学できたりするようです。他にも須坂が栄えはじめた江戸期〜近代から続く庭園があるかも。
(2019年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
長野電鉄長野線 須坂駅より徒歩約15分(※レンタサイクルは駅から徒歩7分の場所にある観光案内センターにあり)
須坂駅より路線バス「中央公民館入口」バス停下車 徒歩1分
〒382-0086 長野県須坂市須坂本上町 長野県須坂市大字須坂本上町32 MAP