名古屋と豊田の間の穴場庭園…かつて遊園地“三好リッチランド”が存在した跡地に作庭された平成の日本庭園。茶室“栄松軒”“大慈庵”も。
サンアート・みよし市ふるさと会館“鶴駕苑”について
愛知県の名古屋市と豊田市の間にある「みよし市」。「サンアート」はみよし市に1993年(平成5年)に開館した文化センターで、正式名は「みよし市勤労文化会館」。敷地内に併設された「ふるさと会館」には池泉回遊式の日本庭園“鶴駕苑”(かくがえん)と各種茶室があります。
2022年8月に豊田市(『豊田市美術館』)を訪れた折にはじめてみよし市を訪れました。目的の一つがこちら。
そしてこの庭園が想像していたよりも立派な庭園で驚いた!平成年代に作庭された比較的新しい庭園だし、あまり特色はないかもしれないけど…、こんな夏場でも芝生や樹木がきれいに整えられていて。
名古屋と豊田の中間で産業はあるにしても、電車も通っておらず人口も6万人と決して大きくないみよし市にこんな立派な日本庭園が存在し、そして綺麗に保たれていることに驚いた。そしてこれだけ広く開けた庭園に誰も人が居ないシチュエーションは実はそんなに体感したことがない…。(夏とはいえ…)
かつて昭和年代に存在した遊園地「三好リッチランド」。その跡地を活用する形で1993年に開かれたのがサンアートとふるさと会館、そしてふるさと会館に面したこの庭園。
「ふるさと会館」って名前だとあまり惹かれない…?かもしれないけど、実はかなり立派な和風建築。10畳の和室2つ(まつの間・さつきの間)と立礼席、茶道具が展示された展示室まで。軒が深いのもかっこいいし、錆びたオレンジ色の靴脱石も立派だなあ…。
立礼席では庭園を眺めながら呈茶(抹茶+和菓子)で一服することができます。350円。安め。
その前に広がる、約900坪の池泉回遊式庭園。建物から向かって、手前には野点やパーティーを想定した?広い芝生、その奥に洲浜のある横長の池、最奥の築山の中にはサツキの刈込やマツの木は植わった…さまざまな時代の日本庭園の特徴を取り入れた“純和風庭園”。
庭園の奥に歩を進めると“栄松軒”“大慈庵”という2つの茶室と腰掛待合、その露地庭園へと風景が変わります。この2つの茶室も平成年代に新築されたものですが、“栄松軒”はみよしの名家・酒井家の茶室を忠実に再現した写し(詳しくは「名古屋茶道大鑑」にて。)という、次世代のみよしにも引き継がれるべき茶室。その外観は既にだいぶ味が出てきている…。
なおこの平成年代の新しい庭園でも、公式サイトの写真では当初は木橋だったが現在にはコンクリートの橋に架け替えられていたりして、庭園の経年劣化や変化は意外と早いんだな…と。お近くの方はぜひお茶を一服&庭園散策に訪れてみて。
(2022年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
名古屋市営地下鉄鶴舞線 赤池駅/名鉄三河線 豊田市駅/愛知環状鉄道 新豊田駅より路線バス「三好サンアート前」バス停下車 徒歩3分
〒470-0224 愛知県みよし市三好町大慈山 MAP