映画監督・西河克己氏の記念館となっている国登録有形文化財の洋館と、明治時代の商家から眺める和風庭園。
旧塩屋出店庭園について
「旧塩屋出店」(きゅうしおやでみせ)は智頭往来の宿場町“智頭宿”に残る国登録有形文化財の建造物。明治時代~昭和初期に建てられた主屋、洋館、外塀、納屋が登録有形文化財で、洋館は智頭町出身の映画監督・西河克己さんの功績を紹介する『西河克己映画記念館』となっています。
2019年秋に初めて智頭町を訪れた際に、智頭宿の代表的な邸宅・庭園『石谷家住宅』とあわせて見学しました。この塩屋出店は江戸時代後期に石谷家の分家「塩屋本家」の石谷伝三郎の次男、石谷本家の六代目・伝九郎の弟・吉兵衛が店を起こしたのがはじまり。その後、二代目~四代目にかけて問屋や智頭宿の庄屋をつとめ、明治時代には村長も務めたそう。
石谷家ほどの大豪邸ではないですが、当地の商家建築と庭園を見学することができます…がこの日は建物内を見学することはできず。船底天井などの格式高い意匠も見られるそう。
そして現在『西河克己映画記念館』となっている洋館は1930年(昭和5年)に建てられたのち、当初は医療施設として利用、その後キリスト教の教会堂を経て、西河克己監督から映画関係の資料を寄贈されたのを機に2001年(平成13年)に記念館として開館。
氏が監督を務めた「青い山脈」「伊豆の踊り子」「潮騒」といった作品のポスター、台本、スチール写真などの史料が展示されています。
これらの建物の中庭として、背の高いマツや飛び石、サツキ・ツツジの刈込が配された和風庭園が残っています。周囲は住宅街ですが、主屋近くからは穂見山の借景も!智頭へ足を運んだ際はこちらもどうぞ。
(2019年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)