平安時代『平安京』の造営とともに大内裏の付近に作庭された大規模な回遊式庭園…現在の庭園はその一部。国指定史跡。
神泉苑について
「神泉苑」(しんせんえん)は世界遺産『二条城』と御池通を挟んで隣接している池泉回遊式庭園。古くは794年、平安京が造営された際に桓武天皇によって大内裏に隣接する形で設けられた宮中附属の禁苑で、国指定史跡となっています。
石鳥居だし“神”だし神社かと思ってたけど、実は東寺の末寺にあたる寺院。平安時代に造影された際は《南北4町東西2町の規模》だったそう。当時は周囲には宮殿も建てられ、天皇や公家・貴族が舟遊や桜の花見、淳和天皇に至っては釣りも楽しんでいたとか。
その池泉“法成就池”(ほうじょうじゅいけ)は平安遷都以前から存在し、淳和天皇に勅命を受けた812年(天長元年)に弘法大師空海が祈雨をして成就させたことから名付けられたそう。なお“御池通”の名前もこの池が由来となっているという説も。また863年、疫病が流行した際に神泉苑で疫病退散を祈り行われた“御霊会”が祇園祭の発祥。
江戸時代に徳川家康が『二条城』を築城した際に神泉苑の湧水を城の濠に利用することとされ、元の神泉苑の北部分に建てられたのが二条城。そう考えると『二条城二の丸庭園』の水というのは元・神泉苑にあたるのか。
神泉苑が現在の規模に縮小されたのはその際で、寺院として整備が進んだのも江戸時代に入ってから。1788年の天命の大火によって一度伽藍を焼失しているため、現在の建造物は江戸時代後期以降に再建されたもの。
朱色の法成橋は願いを念じてわたると願いがかなうという言い伝えがあるとか、池泉に浮かぶ中島は少しずつ動いている等、昔から様々な言い伝えのある由緒ある庭園です。
(直近では2019年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
京都市営地下鉄東西線 二条城前駅より徒歩3分
JR嵯峨野線 二条駅より徒歩8分
最寄りバス停は「神泉苑」バス停 下車すぐ
〒604-8306 京都府京都市中京区御池通神泉苑町東入る門前町166 MAP