米子藩主・中村一忠が米子城と共に整備した“寺町銀座”に残る、江戸時代後期作庭の庭園。鳥取県指定名勝。
心光寺庭園について
【要事前電話予約】
「見龍山 心光寺」(しんこうじ)は米子の中心部でかつての城下町の面影を残す“寺町銀座”にある寺院。江戸時代後期・天保年間(1831年~1845年)に作庭された庭園が鳥取県指定名勝となっています。
2020年秋、4年ぶりに皆生温泉の菊竹清訓のメタボリズム建築『東光園』へ宿泊に訪れた足で、もう一つ米子の庭園へ。心光寺は初めて拝観。
米子駅からは徒歩20分強。高島屋や飲み屋街のある中心部からは徒歩5分程の場所にある米子の寺町。関ケ原の戦いの後に伯耆国・米子藩主となった中村一忠によって米子城の築城とともに整備されたもので、現在でも街中において9つの寺門が並ぶ独特の景観を作り出しています。通称“寺町銀座”“お寺銀座”。
この心光寺も元は「源光寺」の寺名で別の場所にあったお寺で、中村一忠が当時の廣誉十頑上人に帰依していたことから現在地に移転。江戸時代に建立された本堂は昭和の中頃に火災で焼失、昭和のモダニズム感漂う現在の本堂は1974年(昭和49年)に建立されたもの。お隣の法蔵寺の本堂もこういう系統で見ごたえある。
境内に残る池泉鑑賞式庭園(*拝観は要事前連絡)は寺伝では江戸時代後期の1838年(天保9年)に庫裏を再建したのとあわせて作庭されたと伝わります。
心字池を中心として、その護岸の石組で鶴と亀が向き合っている姿を表現。またその石組には出雲・松江で産出された“来待石”が用いられ、これは同じ米子の国指定名勝『深田氏庭園』と共通している点だそう。
ところで、紹介看板の写真とは随分違う雰囲気…写真ではもっとサツキの刈込が大きく周囲の木も高かったんだけど。なんでも「つい先日京都から先生方が修復に来られて、皆様に剪定いただいたばかりで」とのことで。
後日調べたら本当にその2週程前にこの心光寺で『鳥取県文化財庭園技術者講習会』が開催され、京都藝術大学・仲隆裕教授(国指定名勝『胡宮神社社務所庭園』の修復事業にも名前があった)や文化財庭園保存技術者協議会の代表・加藤末男さんと副代表・田中宏夫さんが来られていたみたい。
大きくなり過ぎた樹木を一度小さくして、また姿を育てていく過程。また米子来る時に様子見に訪れたい!
(2020年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR山陰本線・伯備線 米子駅より徒歩25分(約2km)*駅にレンタサイクルあり
JR境港線 後藤町駅より徒歩10分強
米子駅より路線バス「高島屋前」「角盤町四丁目」等から徒歩10分
〒683-0831 鳥取県米子市寺町39 MAP