耕三寺 未来心の丘“巍々園”Kosanji Temple “The Hill Of Hope”, Setoda, Hiroshima

国登録有形文化財の鮮やかな寺院建築群と、彫刻家・杭谷一東が作り上げた現代庭園はインスタでも人気。

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耕三寺 未来心の丘“巍々園”について

「潮聲山 耕三寺」(ちょうせいざん こうさんじ)は広島県・尾道と愛媛県・今治を結ぶ“しまなみ海道”の途中、生口島の西部の港町・瀬戸田にある浄土真宗本願寺派の寺院。
昭和初期創建の比較的新しいお寺ですが、当時建立された15件の建築が国登録有形文化財。その豪華な伽藍は“西の日光”とも呼ばれ、近年では彫刻家・杭谷一東により設計/制作された大理石庭園“未来心の丘”がSNS映えスポットとして人気。

2021年春に訪れた広島の庭園もようやっと最終盤…三原からフェリーで瀬戸田を初めて訪れました。目的は“未来心の丘”よりも近代和風建築『潮聲閣』だったのですが、先にお寺の堂宇と“未来心の丘”も紹介。

明治時代後期~昭和初期にかけて溶接や鋼管の事業で成功した実業家/発明家・金本福松(後の金本耕三、耕三寺耕三)。氏が自らの母の菩提寺として1936年(昭和11年)から建立を開始。その経緯から“母の寺”とも呼ばれます。

登録有形文化財となっているのは、山門・中門・羅漢堂・鐘楼・鼓楼・仏宝蔵・法宝蔵・僧宝蔵・至心殿・信楽殿・銀龍閣・八角円堂・多宝塔・潮聲閣。最初に母親の隠居所として建てられた潮聲閣を除いて1940年前後の完成。(その後、戦後にも孝養門や五重塔も建立。)

その特徴は、それぞれが日本の他の有名寺院の名建築のオマージュである点。奈良『法隆寺』を元にした中門・羅漢堂、『平等院鳳凰堂』を元とした本堂、『日光東照宮』の陽明門を模した孝養門、そして『慈照寺(銀閣寺)』がモチーフの銀龍閣など。その上で鮮やかな彩色は耕三寺ならでは。

そして境内の高台部に2000年(平成12年)に開園したのが“未来心の丘 巍々園”。作者は広島県出身でイタリアにアトリエをかまえるアーティスト・杭谷一東。
世界各地に彫刻作品を残されている氏が12年の歳月をかけて造営した現代庭園で、この作品でイタリアのアワードでランドスケープ部門で大賞を受賞。青空に白い大理石が映え、瀬戸内海の眺望も素晴らしい!なお、氏が師事したのが圓鍔勝三で、開基の耕三寺耕三と同じく尾道市名誉市民の彫刻家です。

そして『耕三寺博物館』(金剛館)では快慶作の宝冠阿弥陀如来坐像や奈良『興福寺』に伝来した木造釈迦如来坐像をはじめ17点の国指定重要文化財を含む美術品を所蔵・公開。これらも開基の耕三寺耕三が収集したコレクションが起源。

実業家自身が僧職を選び寺院を構えたというのは、(企業と結びつきが強い)『神勝寺 禅と庭のミュージアム』ともまた異なる面白い背景を持つ寺院。建築や現代庭園を含め、境内全体が博物館!

(2021年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

瀬戸田港より徒歩7分(三原・尾道からフェリー)
JR山陽本線 尾道駅より路線バス「耕三寺」バス停下車 徒歩4分

〒722-2411 広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田553-2 MAP