
スタジオ・ムンバイ・アーキテクツが日本で初めて手掛けた作品は尾道の新たなアート/カルチャー/庭園スポット。
尾道LOGについて
「LOG」(ログ)は尾道の古刹・千光寺へと至る坂道の途中に2018年にオープンした宿泊施設/カフェ/ギャラリー等の複合スペース。
昭和中期に建てられた鉄筋アパートメントを、建築家:ビジョイ・ジェイン率いるインドを代表する建築設計事務所:スタジオ・ムンバイ・アーキテクツ(Studio Mumbai Architects)によりリノベーション。スタジオ・ムンバイがインド国外で初めて取り組んだプロジェクト。
「LOG」は“Lantern Onomichi Garden”の略。昭和のアパート建築時に作庭されたと思われる庭園も残るけど、“庭園施設”というよりは若者の集まるカルチャースペース/文化発信拠点。2021年春に初めて訪れました!
尾道の町並みを見下ろす景勝地に1963年(昭和38年)に完成した“新道アパート”がその前身。アパートそのものはシンプルな鉄筋コンクリート造ですが、門塀、その脇のマツ、玄関庭(前庭)や瓦屋根の離れは和風のそれ。
そして主庭にも大きな石灯籠に手水鉢、そして大きな沓脱石らしきものが残されていて(アパートが建つ以前には和風の邸宅があったのかな。近隣には『志賀直哉旧居』(尾道文学公園)など文豪ゆかりの和風邸宅も残る)、ピロティにはそんな和風庭園の面影を感じる景色が切り取られた吹き抜けが。
元々は空き家の増加が課題だった尾道の山の手地域。訪日客の増加に伴った単純な“新たな宿泊施設を”という話じゃなく、地域の人が集える施設として計画・整備されたのがLOG。訪れた日も地域の(主に)若者がカフェやショップに訪れる姿がありました。
室内はこの庭の土を用いて地元の職人の手によって塗られたさまざまな色の漆喰が暖かい雰囲気を醸します。客室は限定6室。宿泊以外にもカフェやギャラリー利用で立ち寄ってみて。
(2021年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)