
九州を代表する紅葉の名所庭園“九年庵”の作庭を手掛けた“久留米が生んだ名作庭家”阿理成が自らのお寺に残した“自然流”庭園。
誓行寺庭園について
「光寿山 誓行寺」(せいぎょうじ)は福岡県久留米市の古い町並み「寺町」にある浄土真宗の寺院。その前庭の一部は、九州の紅葉の名所として有名な国指定文化財庭園『九年庵』の作庭者として知られる“久留米が生んだ名作庭家”阿理成(ほとりりじょう)の作庭。
久留米市の中心部、西鉄久留米駅から徒歩10分程の場所に位置する「寺町」。その名の通り数多くの寺院が立ち並ぶこのエリアは古くは江戸時代初期、久留米藩主となった大名・有馬豊氏のまちづくりに伴って整備されました。この寺町の庭園として、他には『遍照院庭園』(昭和時代を代表する庭園研究家・森蘊の作庭)があります。
その歴史について。室町時代の1555年(弘治元年)、本願寺に帰依した佐田某(釈浄近)が父・釈浄清を開基として旧・旧三井郡弓削村にお堂を建立したのがその始まり。尚、この釈浄清、釈浄近親子の祖先は「前九年の役」等にも参戦した平安時代の武将・安倍宗任(陸奥国出身~晩年は九州・筑前に配流)と伝わるそう。
江戸時代初期の1603年(慶長8年)に久留米城下へ移転、以降も何度か場所を移し1646年(正保3年)に現在地へと移されました。山門や本堂も歴史が感じられる雰囲気ですが、その当時のものではなく、山門は江戸時代中期の1750年(寛延3年)再建、本堂は1884年(明治17年)の再建。
本堂の前庭――頭上には大きなモミジが、足元には低くお手入れされたサツキの刈込と苔の広がるこのお庭を手掛けたのが“久留米が生んだ名作庭家”と呼ばれた阿理成。
…と言っても彼が手掛けた庭園で、公開庭園で現在も名前が伝わるのはこのお庭と代表作『九年庵』のみ。氏は元々はこの誓行寺の11代目のご住職でした。そこから京都で作庭を学び、その後の明治30年代に『九年庵』の造園を手掛けます。
氏の生きた時代を考慮すると、この誓行寺のお庭は本堂が再建された頃の作庭。九年庵と比べればこじんまりとしていますが、それでも作庭から100年以上経過している歴史ある貴重なお庭!氏の“自然流”と称された作風はこのお寺の名前から“誓行寺”とも言われ、なのでこのお庭は氏の「原点」のお庭とも言えます。そして紅葉もお見事!市内の方も旅行の方もぜひ立ち寄ってみて。
(2025年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
西鉄天神大牟田線 西鉄久留米駅/櫛原駅から徒歩10分
JR鹿児島本線 久留米駅より約2km(徒歩25分)
JR久留米駅より路線バス「通町六丁目」バス停下車 徒歩5分
〒830-0014 福岡県久留米市寺町15 MAP
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