近代の政治家・安達謙蔵の旧宅「原泉荘」の前に残る池泉式庭園と、近代洋風建築「三賢堂」。
三賢堂公園(原泉荘庭園)について
「三賢堂公園」(さんけんどうこうえん)は熊本市出身の近代の政治家・安達謙蔵の旧宅の敷地を公園として開いたもので、敷地の高台にはその名の由来となった洋風近代建築「三賢堂」があります。
戦前、内務大臣をはじめとした要職を歴任した安達謙蔵。「三賢堂」は昭和11年に建てられた建築で、「肥後の三賢人」として、加藤清正、中世に肥後国を本拠としていた武将・菊池武時、そして肥後熊本藩6代藩主・細川重賢の銅像が飾られています。また手掛けた彫刻家の中には朝倉文夫の名も。
また敷地の低地部には同じく昭和初期に建築された旧居「原泉荘」と書斎「備於斉」(びおうさい)があります――が、熊本地震によって被害を受け、現在内部は公開されていません(倒壊していないのが何より)。2019年から復旧工事に入るとのことなので、来年・再来年にはまた見られるようになるかな?ちなみに地震以前は市の施設として安価に利用することができたようです。
「源泉荘」の前には池泉回遊式庭園があります。こちらは近隣の「釣耕園」、「叢桂園」と水源が同じで、この界隈を流れる「金峰山湧水群」は平成の名水百選にも選ばれているとのこと。三賢堂⇒釣耕園⇒叢桂園と標高が高い場所から低地部へ水が流れていく水路もあり、その途中にある「少年の家跡」の池泉もかつての当地の政治家邸宅のお庭遺構だそう。
…最初の訪問の時は「原泉荘」=「三賢堂」なのかな…と思い込んでしまい、メインの近代洋風建築を見ずだったので2年ぶりの熊本で再訪。次回はまた「原泉荘」の建物修復が終わったら訪れたい!
(2016年12月、2018年12月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)