三番町共用会議所(旧山縣有朋邸跡)庭園

Sanbancho Kyoyo-Kaigisho's Garden, Chiyoda-ku, Tokyo

日本武道館の近くに残る山縣有朋の邸宅跡と庭園。山縣好みの”流れ”が随所に見られる池泉回遊式庭園に、大江宏設計の"モダン・ムーブメントの建築”も。

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三番町共用会議所(旧山縣有朋邸跡)について

【通常非公開/例年、秋に特別公開】
「三番町共用会議所」(さんばんちょうきょうようかいぎしょ)はかつて元首相・山縣有朋の邸宅があった場所に建てられた国の会議所で、現在は農林水産省が管轄する施設。山縣有朋が暮らした時代の面影が残る庭園があり、例年秋に庭園の一般公開が期間限定で実施されています。

京都の『無鄰庵』、東京の『椿山荘』などの庭園ファンにもお馴染みの、幕末〜明治・大正の政治家(元首相)・山県有朋。氏の邸宅が建てられたのは明治時代で、当初は洋風の建築が建てられていたそう(その後空襲で焼失)。

山縣本人が作庭に関わったという庭園は、ゆるやかな斜面の上部から水が流れ、底の部分に池泉があるという他の山縣庭園にも見られる構造。随所に山縣好みの「流れ」も見られます。庭園内には明治天皇が訪れたことを記念し、山縣本人の和歌を彫った石碑も。

昭和年代に改修・整備が加えられたそうですが、庭園内に幾つか見られる石燈籠は山縣邸だった当時から残るものと推測されています。あと10枚目の写真(わかりづらいかも…)で見られる「流れ」の周辺に組まれている石なんかも、海の近くから運ばれたと言われる浸食された石の特徴が見られてその辺のタダの石ではなさそう。

今回の公開の中で、別館の2階から眺めた正面のソメイヨシノがライトアップされている写真が飾られていました。この一般公開イベントは秋のみのようですが、それ以外の季節にも様々な花が咲いてそうなので見てみたいなあ…。12月初旬に近い方が紅葉もきれいそう。

また庭園の一角に建つ「別館」は『国立能楽堂』や『伊勢神宮』『宇佐神宮』内の施設も手がけている昭和の著名な建築家・大江宏による設計で、2021年には「DOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築」にも選定。モダン建築好きにもオススメ!

(2018年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

東京メトロ半蔵門線・東西線 都営新宿線 九段下駅より徒歩7分
JR中央総武線 飯田橋駅・市ヶ谷駅より徒歩約15分

〒102-0074 東京都千代田区九段南2-1-5 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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