二・二六事件の被害者としても知られる昭和初期の総理大臣・齋藤實が地元の岩手県水沢に残した旧宅とその庭園。
斎藤實記念館・旧斎藤實邸庭園について
「齋藤實記念館」(さいとうまこときねんかん)は明治〜大正時代に海軍大臣、昭和初期に第30代内閣総理大臣も務めた軍人・政治家、斎藤実の地元・奥州市水沢にある施設。2021年7月に「齋藤子爵水沢文庫」が国登録有形文化財に答申。記念館に隣接して旧宅とその庭園も残っています。
2019年4月に初めて水沢の城下町を訪れました。城下町といえば武家屋敷、武家屋敷=“庭園”と名前についていなくてもだいたい何らかのお庭がある。
で、水沢では毎年4月29日に江戸時代に城主の伊達宗景公により始められた“日高火防祭”という大きなお祭りがあります(岩手県無形民俗文化財・2020年は中止)。そして例年このお祭りにあわせて非公開の武家屋敷も公開されるということで、アラバキの翌日は平泉などに寄りながら水沢へ。
この4月29日、国指定史跡『高野長英旧宅』や近代和風建築『旧安倍家住宅』が特別公開される一方、通年公開されているこの記念館ではこの日に限り無料公開されていた。
齋藤實は首相を務めた他には二・二六事件で殺害された大臣としても知られます。元は水沢の武家の出で、後藤新平とは学生時代からともに学んだそう。その後の軍人や政治家としての出世についてはWikipediaをどうぞ。暗殺される結末を迎えてるのに、“別に狙われるような人じゃなかった”感ある。
斎藤實の死後、その遺品や蔵書、水沢に残されていた旧宅とその土地が旧・水沢市に寄贈され、1972年(昭和47年)に記念館開館。現在も残る和風の邸宅は昭和7年に斎藤が地元に建てたものであり、併設された煉瓦造り書庫・文庫室も“地元の人にも使ってもらう”ことを想定したものだったそう。
邸宅の前には池泉回遊式庭園が広がります。現在はあまり特徴を語りづらい感じではあるけど(駐車場が隣接してるから多分縮小されたんじゃないかな)、記念館のサイトの《斎藤實ってどんな人?》の中に“趣味:庭いじり”ってあるんですよね。
軍人の出で庭いじりが趣味ってあれだ、山縣有朋と同じだ。有朋の邸宅と違ってもう東京、葉山、千葉県一宮の別荘もどこも残されていないようだけど、もしたらそこにも立派な庭園があったのかもしれないなぁ。
(2019年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR東北本線 水沢駅より徒歩16分
水沢駅よりコミュニティバス「斎藤實記念館」バス停下車すぐ
※水沢駅より徒歩10分程の場所にある奥州市観光物産協会にレンタサイクルあり
〒023-0054 岩手県奥州市水沢吉小路24 MAP