応賀寺庭園“光陰の庭”

Ouga-ji Temple Garden, Kosai, Shizuoka

弘法大師空海が名付けた寺院に作庭された枯山水庭園“光陰の庭”。薬師堂など静岡県指定文化財も複数所蔵。

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鏡光山 應賀寺について

【宝物殿の拝観は1週間前までに要予約】
国の特別史跡である東海道『新居関所(新居関跡)』から徒歩10分程。「鏡光山応賀寺」(きょうこうざんおうがじ)は奈良時代に聖武天皇の勅願寺として行基により創建された寺院で、浜名湖七福神の一つ。室町時代〜江戸時代に掛けて建立されたという「応賀寺薬師堂」は静岡県指定文化財となっており、その他にも平安時代〜鎌倉時代作と言われる阿弥陀如来像、毘沙門天像、御本尊の薬師如来像が県指定文化財となっています。

「鏡光山応賀寺」という寺名の由来は平安時代に弘法大師空海が訪れたことがきっかけ。空海が諸国を巡礼している最中に浜名湖の付近で強風を受け漂流の危機に――その時、対岸から射した一筋の光を頼りに漕ぎ進めたところこの寺院に辿り着きました。その光は本尊・薬師如来の光背であったと言い、これに喜んだ空海が『山号を光る鏡の山、鏡光山…喜びに応ずる寺「応賀寺」』と名付け、海上安全を祈願されたと伝えられる…とのこと。
ちなみに現在県指定文化財となっている薬師如来像は鎌倉時代の作。なお11月3日の薬師如来大祭で年に一度の御開帳があります。

またその他にも市指定文化財含め多くの古仏像、美術工芸品、古文書を所蔵しており、静岡県西部地方のお寺としては珍しい立派な宝物館があります(1週間前までに要予約!…なお知らずに自分は宝物館は見学せず…)。
中には源頼朝ゆかりのアイテムも。中世の新居にあった橋本宿に頼朝が宿泊した際に宿泊した長者の娘を好み、その娘に下賜したという扇子と団扇が応賀寺に残されているそうです。その娘は後に尼として応賀寺に入り名を妙相と改めました。県指定文化財の毘沙門天立像はその妙相の守り本尊とされます。

境内の寺務所前には枯山水庭園“光陰の庭”があります(自分が訪れた目的はこちら)。応賀寺のパンフレットにも情報が無いので詳細は不明ですが――見た目的には新しそうな庭園。味が出てくるのはもう少し先でしょうか。
また応賀寺山門外の坂を少し登ったところにはささゆり約500本が植えられており、毎年5月下旬から6月中旬頃に見頃を迎えるそう。2019年は6月8・9日にささゆりの見学会も開催。庭園やお寺の拝観と併せてどうぞ!

(2019年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR東海道本線 新居町駅より徒歩約20分(駅にレンタサイクルあり)
【平日のみ】新居町駅よりコーちゃんバス白須賀新居鷲津線「天当山住宅入口」バス停下車 徒歩5分⇒時刻表はこちら

〒431-0301 静岡県湖西市新居町中之郷68-1 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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