岡本太郎記念館

The Taro Okamoto Memorial Museum, Minami-aoyama, Tokyo

太陽の塔もここから生まれた…現代日本を代表する芸術家・岡本太郎の旧宅/アトリエと氏の世界観が滲み出た庭園。建築設計は坂倉準三。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

岡本太郎記念館について

「岡本太郎記念館」(おかもとたろうきねんかん)は現代日本の代表的な芸術家・岡本太郎がアトリエ兼住居に開かれたミュージアム。かつてのアトリエ(旧館)の設計はル・コルビュジェに師事した日本の建築家のひとり・坂倉準三。岡本太郎の彫刻作品が展示された庭園があります。

2022年、『展覧会 岡本太郎』が大阪・東京・愛知と巡回する岡本太郎。「そういえば記念館のお庭、紹介したいな…」と思って、東京を訪れた際にものすっごく久々(10年以上ぶり)に岡本太郎記念館を訪れました!

東京は南青山の超一等地。『根津美術館』の程近く、骨董通りから一本入った路地に建つ岡本太郎記念館。
岡本太郎の少年時代、漫画家の父親・岡本一平の代からこの地で暮らし始めた岡本家。当初の住まいは1945年に太平洋戦争の東京大空襲で焼失してしまいますが、友人だった坂倉準三に依頼し同じ場所に再建されたのが現在の記念館の一部(アトリエ&サロン)。

以来、1996年に亡くなるまで岡本太郎の製作拠点として数多くの芸術作品が生み出された南青山の自邸&アトリエ。亡くなった翌年、太郎のパートナーでもあった岡本敏子さんの「岡本太郎を次の時代に伝えたい」という想いから財団法人が設立、1998年(平成10年)に開館したのがこの記念館。

坂倉準三によるコンクリート建築は残されつつ、木造2階建て書斎は建て替えの対象となって現在の新館(展示室やミュージアムショップ)に立て替えられました(*時代が違ったら木造建築にも価値が見出されたかも…)。
アトリエは当時の空気感を今に伝え、そして展示室やサロン・庭園で数多くの岡本太郎作品を鑑賞・堪能することができます。(展示室はシーズンごとに企画展を開催)

庭園は決して広くはないけれど、岡本太郎の生前から残るお庭。
“野生のまま生い茂る木や草が好きだった”という岡本太郎が好んで植えた植物たちにより構成された空間でーー過去に紹介した庭園で言うと、福井の“庭の国宝”『一乗谷朝倉氏庭園』を絶賛したという岡本太郎ですが、決して“和”に引っ張られているわけではなく。

上野毛のアトリエから青山のこのアトリエに移植したバショウの木やカヤの大木、クサソテツにシュロ、セイヨウヅタ…など和でも洋でもない独特の植栽。
その中に置かれた数々の彫刻作品…有名な“午後の日”以外には“樹人”“犬の植木鉢”など自然・庭園がモチーフだったり、寺院の梵鐘として依頼された“歓喜”など。

何っぽいとかではなく、“これが岡本太郎的な空間”。大規模な展覧会の後だからこそ、ぜひ岡本太郎の息吹が感じられるこの記念館を訪れてみて。

(2022年7月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

東京メトロ銀座線/半蔵門線/千代田線 表参道駅より徒歩7分
渋谷駅・六本木・新橋駅などより路線バス「南青山六丁目」バス停下車 徒歩1分

〒107-0062 東京都港区南青山6丁目1-19 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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