“京の三大呉服商”大黒屋・杉浦三郎兵衛の江戸時代の屋敷を引継ぐ旅館の室町時代の?庭園と大正時代の茶庭。
日昇別荘庭園について
【施設利用者向け】
「日昇別荘」(にっしょうべっそう)は京都市の“京都を彩る建物や庭園”にも選ばれている、江戸時代中期の屋敷の一部を残す旅館。室町時代?の庭園が残ります。
通常は旅館営業されているこの施設。軒先に出ている「京都まちかどミュージアム」のパネルに“庭園がある”と書かれていたのを見て「いつか見たいな~」と思っていたのですが。2021年5月に特別にランチ営業をされる、とFacebookで情報をいただいて5月初旬に訪れました。ランチも880円~とお手頃!
京都の中心部・三条通の“三条界隈景観整備地区”で「伝統的様式木造商家」の指定を受けている日昇別荘。歴史をさかのぼると桃山時代に大名茶人・古田織部に仕え、茶道を小堀遠州に師事した豪商・有来新兵衛の屋敷がここにあったそう。
その後、豊臣秀吉の命令で?京都の三大呉服商と言われた“大黒屋”杉浦三郎兵衛の邸宅に。“大黒屋”は1663年(寛文3年)に創業。十六代続いた後に1949年(昭和24年)に所有がうつり、旅館・日昇別荘が創業されました。
現在“本館”として利用されている木造建築は江戸時代中期の1788年(天明8年)築。幕末(蛤御紋の変・鳥羽伏見の戦い)での京都の大火の被害から逃れた貴重な建物。最盛期には7つあった蔵も1つのみ残り、大正時代にステンドグラス窓を持つ応接室に改築…今回見逃したかも。
そして庭園は、食堂から眺められる枯池式の池泉回遊式庭園。“室町時代の庭”とされているのは、室町幕府6代目将軍・足利義教の時代の1436年(永享8年)に作られた石灯籠や鎌倉時代の宝篋印塔があるからかな。
庭園奥にある茶室が大正時代の作で、カラフルな庭石の使い方やなんかを見ると実際は大正時代に改修されているんだろうなと思うし、石造物も大黒屋のご当主が買い集めたものかなと思うけど。
ただ、確かに織田信長が作った当初の『真如院庭園』も絵図ではこんな感じの平たい枯池式庭園だったんだよな。京都市指定名勝の『大聖寺庭園』とかも。
庭園奥、庭門“残月”の先には築100年の茶室“松友亭”があります。こちらも現在は客室として利用。別に室町時代の庭ではなくても、“近代の京都の庭園”として無茶苦茶良い!
青もみじと花が咲き始めのサツキ、アヤメなどカラフルなお庭を眺めながらのランチは最高。期間中にもう1、2度行く!
(2021年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
京都市営地下鉄烏丸線・東西線 烏丸御池駅より徒歩6分
京都市営地下鉄東西線 京都市役所前駅より徒歩4分
阪急京都線 京都瓦町駅・烏丸駅より徒歩8分
京阪本線 三条駅より徒歩9分
〒604-8083 京都府京都市中京区富小路西入ル中之町13 MAP