現在は本家西尾八ッ橋がレストランを運営する、大正時代に財界人の邸宅として建てられた和風建築と回遊式庭園。
西尾八ッ橋の里庭園について
「西尾八ッ橋の里」(にしおやつはしのさと)は京都の名物の和菓子“八ツ橋”で知られる「本家西尾八ッ橋」が本店隣で営業しているお食事処・甘味処。大正時代の和風家屋は「本家西尾八ッ橋別邸」として“京都市民が選ぶ 京都の財産として残したい京都を彩る建物や庭園”にも指定されています。
日本庭園を眺められながらお食事できるお店。3月〜4月頭に何度か足を運びました。
京都で最も古い八ツ橋の会社・本家西尾八ッ橋。創業は江戸時代初期の1689年(元禄2年)。当初はすぐ近隣の『聖護院門跡』および『くろ谷 金戒光明寺』の参道のお茶屋だったそう。江戸時代に考案されたその和菓子は、明治時代にパリ万博など国内外の博覧会で受賞を重ね“八ツ橋”を京都の名物和菓子に育てあげました。
高い土塀が“大邸宅”の面影を残す西尾八ッ橋の里の建物は大正時代の1919年(大正8年)に河原林檉一郎氏の邸宅として建築。この方、東レこと東洋レーヨンの要職を務めていた財界人であり、立命館大学の前身である京都法政学校の設立に尽力した人物でもあるそう。
その後は東芝の保養所になっていたところ、本家西尾八ッ橋が購入。基礎工事などの全面改修を行い、2013年より西尾八ッ橋の里としてオープン。全面改修と言っても建物内部は近代の数寄屋風書院造りのまま残っています。
庭園は改修前の航空写真を見るともっと樹木が鬱蒼としたようなので、現代に作り変えられた様子。特にその池泉部分は“西尾八ツ橋”の由来でもある三河国のかきつばたの名所の“八橋”を再現しているそうで、晩春にはかきつばたが咲き誇ります(パンフレットも尾形光琳のカキツバタ)。
また早春〜春にかけては、シダレザクラ、馬酔木、シャクナゲ、イロハモミジにノムラモミジ…などなど色とりどりの花木が庭園を彩っていた。2階席からは比叡山の風景も。今後も食事のお値段が日常的に利用しやすいのも嬉しい。今後も色んな季節に足を運びます!
(2020年3、4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
京阪本線 神宮丸太町駅より徒歩9分
京都市営地下鉄東西線 東山駅より徒歩15分
最寄りバス停は熊野神社前徒歩2分
〒606-8391 京都府京都市左京区聖護院西町6 MAP