北原家 大宮庵

Omiyaan Garden, Nishijin, Kyoto

京都・西陣の中心地“千両ヶ辻”で1日のみ特別公開された通常非公開の京町家(京町屋)。明治時代に建築された町家には苔の美しい庭園も。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

北原家「大宮庵」について

【通常非公開】
「北原家 大宮庵」(きたはらけ おおみやあん)は西陣織の街として栄えた京都・西陣に明治時代に建築された通常非公開の京町家。苔の美しい庭園があります。(*2000年代前半は予約制公開をしておられましたが、現在はやっていません。)

京都・西陣エリアの南東部、今出川通りから大宮通り(大宮今出川〜大宮中立売)は織物問屋街として特に栄え、江戸時代以降“千両ヶ辻”と呼ばれました。(1日に千両もの経済が動いたということに由来)
その千両ヶ辻で例年秋分の日(9月23日)に行われているのが『西陣・伝統文化祭「千両ヶ辻」』。…と言いつつ今年まで知らなかったのですが、この日に限り公開される京町家もあるということで…2022年の「千両ヶ辻」に訪れました!

その「千両ヶ辻」の日だけ特別公開された非公開の京町家が「大宮庵」。先に紹介した京都市景観重要建造物『西陣くらしの美術館 冨田屋』の並びにある、虫小窓と糸屋格子の町家。
前述の通り2000年代には予約制公開もありましたが、現在は年にこの日のみの特別公開(更に千両ヶ辻も3年ぶりだったから、3年ぶりの一般公開…!)。

明治時代の創業から4代目のご当代まで続く生糸問屋/友禅商・北原家。明治時代〜平成年代にかけて徐々に店構えも変化していたこの京町家ですが、2000年代前半に公開施設としても活用する際に元の“京町家”の佇まいに修復。

余談ですが、“町家”“町屋”の表記にはいちおう定義があるそうで…

『町家』は30坪程度の民家
『町屋』は商人や職人の住居/店舗/仕事場など職住一致の建物で、敷地面積は100~200坪程度

で、この大宮庵は“町屋”であるとのこと。

。oO(だとすると実はこれまで紹介している京都の商家は“京町屋”とするのが正しいのかもしれない…。)

“うなぎの寝床”の細長い町屋の奥庭として、苔が美しい庭園が残ります。座敷と離れの眺めをそれぞれ楽しめるこの庭園、春日燈籠・白川石の手水鉢・鞍馬石の飛び石などが配され、苔が中央の伽藍石を埋め尽くす姿がとても印象的。その中にある鉢植えから生活感を感じられるのが京町家の庭の魅力!
ぜひまた来年の千両ヶ辻で公開された際は、座敷からそのお庭を眺めてみて。

(2022年9月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

京都市営地下鉄烏丸線 今出川駅より徒歩15分
最寄りバス停は「今出川大宮」バス停 下車徒歩3分/「一条戻橋・晴明神社前」バス停下車 徒歩5分

〒602-8226 京都府京都市上京区石薬師町693 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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