奈良国立博物館庭園・茶室“八窓庵”Nara National Museum Garden, Nara

日本の4つの国立博物館の1つ。例年秋の『正倉院展』期間に特別公開される庭園と“大和三茶室”に挙げられた重要文化財級の茶室“八窓庵”。

庭園ギャラリーGarden Photo Gallery

奈良国立博物館庭園・茶室“八窓庵”について

【庭園は通常非公開/例年秋に特別公開】
「奈良国立博物館」(ならこくりつはくぶつかん)は日本の4つの国立博物館のうちの1つで、明治時代に東京・京都の国立博物館と共に開館。主に奈良の寺社仏閣に残されていた仏像・美術工芸品などの“仏教美術”を所蔵・展示し、収蔵品には多くの国宝・国重要文化財が含まれます。

奈良のメインストリート・登大路から見て博物館の新館(設計・吉村順三)の奥にはかつて“大和三茶室”(南都三茶室)に数えられた江戸時代の茶室“八窓庵”と、それを中心とした日本庭園があります。庭園・茶室は通常非公開ですが、例年秋の『正倉院展』にあわせて特別公開。

で、この庭園の特別公開に前から行きたかったのだけど——2020年の正倉院展の時は庭園公開がなくて…。2022年の公開期間(『正倉院展』期間中)に初めて訪れました!

1895年(明治28年)、東大寺・春日大社・興福寺に囲まれた国指定名勝『奈良公園』の一角に「帝国奈良博物館」として開館した“ならはく”。その開館の準備期間、1892年(明治25年)にこの地に移築されてきた茶室“八窓庵”。

その歴史は古く、当初は国宝「興福寺」の門跡寺院『大乗院』の庭園内(=現『旧大乗院庭園』)に江戸時代中期に建てられたと伝わります。当初の名は“含翠亭”(がんすいてい)。
大乗院が明治時代の廃仏毀釈で廃寺になった後、地元で保存されることを望んだ奈良の篤志家の支援によって博物館に寄贈されました。

桃山時代〜江戸時代初期の大名茶人・古田織部好みと伝えられる“八窓庵”、茅葺屋根の田舎家風/草庵風の外観と、その名の通り窓が多く明るさが特徴。ちなみに札幌には同じ名前の小堀遠州ゆかりの茶室がある。(→『中島公園 日本庭園』

日本の文化財の主要機関でもある奈良国立博物館が公式に“重要文化財クラス”と評するこの茶室ですが、一般の方の茶会・句会・華道や香道の会合で貸し出し・利用が可能(利用要件は公式サイトを)。

そしてその茶室を囲む池泉回遊式庭園。奈良市公式に掲載されている大正時代の古写真では池の姿は確認できないけれど、西新館が建つ以前(1960年代)の航空写真ですでに土橋のある池の姿らしきものが確認できる(昭和年代の作庭?)。

茶室の対面に門と土橋、そして腰掛待合・寄付待合があり、その間を隔てる心字池を回遊しながら季節の花木や古い石造美術品(般若寺型石燈籠や宝篋印塔、南北朝時代の国東塔)を鑑賞できる庭園。腰掛待合は古田織部ゆかりの藪内“燕庵”の腰掛待合の写しなのだそう。

そんな由緒ある茶室&庭園も近年は老朽化が進み、2021年にはならはく初のクラウドファンディングを実施。その寄付で2022年には茶室・庭園が一部修復された姿で公開されました。今後はバリアフリー化も目指されているそうなので——海外からの来場者も増えてその辺の計画が進めばいいなぁ。

なお“大和三茶室”のあとの二つは東大寺の塔頭寺院『四聖坊』にあった茶室“隠岐緑”と、興福寺の塔頭「慈眼院」にあった“六窓庵”で、六窓庵はトーハクの庭園内(『東京国立博物館庭園』)に移築されていて、こちらも例年春と秋に間近で見ることができます。

“西新館”の前のモダンな水盤の庭園は建築とはまた別の時期、より現代になった後にもうけられたもの。時間帯や天気によっては建築や春日山を鏡のように写してこちらもきれい!博物館の建築だけでなくランドスケープも注目してみて。

(2022年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

近鉄奈良線 近鉄奈良駅より徒歩10分
JR奈良駅より徒歩25分
近鉄奈良駅・JR奈良駅より路線バス「氷室神社・国立博物館」バス停下車 徒歩1分

〒630-8213 奈良県奈良市登大路町50 MAP