江戸時代後期に造られた国登録有形文化財の書院で楽しむ、名物・湯豆腐と池泉回遊式庭園“名教楽地”。
南禅寺順正について
「南禅寺順正」(なんぜんじじゅんせい)は京都五山の一つ『南禅寺』の門前にある、湯豆腐・湯葉が有名な料亭。江戸時代後期に造られた“順正書院”と、庭園・客室へ向かう際にくぐる石門が国登録有形文化財で、池泉回遊式庭園もそれに伴って造られたものがベースになっているとのこと。
“観光控えと言われるうちに普段行かない料亭とか行ってお金使っちゃえ”シリーズ。順正さんの庭園はこれまで2度見せていただいていたのですが、この冬の『京都レストランウインタースペシャル2020』の対象店舗だったのでそちらを利用して食事と庭園を楽しませていただきました!
1年ちょっとぶりの訪問。秋に訪れた際の写真とあわせて紹介。紅葉の時期(ピーク前だったけど)も美しかっただけれど、落葉した後は後で苔の広がる庭園の水の流れや延段がよく見えます。
国登録有形文化財の書院は老中も務めた江戸末期の大名・間部詮勝の薦めにより蘭学医・新宮涼庭が医学学問所として天保10年(1839年)に建てたもの。江戸時代末期に発刊された『花洛名勝図会』にも掲載され、学問所としてのみならず大名や文人墨客の集う文化人サロンといった顔もあったそう。
“名教楽地”と記された石門をくぐると書院を囲むように池泉回遊式庭園があります。その庭園は南禅寺界隈に多く作られた東山を借景とした池泉庭園―—ですが、こちらはその様式が流行った近代より前に原型が造られた庭園。現在は樹高も高くさほど東山の借景を押し出している感じではないけれど、清流と苔、そしてモミジの多さから秋の美しさを想像させてくれます。
そして建物内からのお庭の眺めや建物内の和洋折衷の意匠もとても良かった!
なお「順正」の名物・ゆどうふ、ゆばを楽しめる店舗は、その他にも清水や祇園丸山にも。順正のサイトの説明を見ていて、豆腐が遣唐使により伝えられたものということを知りました…!
余談ですが、東京で働いていた頃の後輩に「和風のサイトで良いものをピックアップして」とお願いした時に順正さんのサイトがピックアップされていた。そんな日本語の素敵なデザインのサイトです。また行きたい。
(2014年12月、2018年11月、2020年2月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)