尾道観光の穴場。フランス近代絵画を数多くコレクションする美術館に、京都『大徳寺』『知恩院』等の御用達庭師・小林造園が作庭した回遊式日本庭園。
なかた美術館庭園について
「なかた美術館」は広島県尾道市にある私設美術館。ポール・アイズピリ/ピエール・クリスタン/エコール・ド・パリを中心としたフランス近代絵画や梅原龍三郎、中川一政ら近代日本洋画を中心に所蔵・展示。また京都の国宝寺院『知恩院』等の御用達庭師でもある小林造園が作庭した回遊式日本庭園があります。
JR尾道駅から商店街とは逆方向、人気の『ガウディハウス』側へ徒歩10分程の場所にあるなかた美術館。
造船・海運事業や塗装事業を営む「ナカタ・マックコーポレーション」の社長〜会長をつとめた故・中田貞雄さんがコレクションした絵画/アート作品を展示するために、隣接する本社と共に1997年(平成9年)に新築、開館。コレクションには前述の画家のほかに他にパブロ・ピカソやジョルジュ・ルオー、マリー・ローランサン、ルノワール、シャガールらの作品も。
美術館のコレクションに加え、館内には地元の方に人気のフレンチ・レストランもあり、かなり「フランス・パリ」への愛着が色濃く感じられる美術館…なのですが、その外に広がるのは山の斜面にまで園路がもうけられた広大な回遊式日本庭園。
庭園は実は美術館よりも早からあったもので、1982年(昭和57年)に中田家の庭園として作庭されたもの。レストラン前には白砂の枯山水庭園、その奥には京都の銘石・加茂の七石のうち真黒石の延段からはじまる露地庭とお茶室。そして平屋建の近代数寄屋建築(旧宅)も印象的な池泉回遊式庭園へと続く。
尾道には文化財指定されている茶庭『爽籟軒庭園』等もありますが、茶室まわりはそれと比べても「ずいぶんと京都らしい」と感じる庭園。それもそのはず、作庭を手掛けたのは京都で創業100年以上を数える小林造園さん。京都の大寺院:大徳寺、知恩院などの御用達でもあります。(となると茶室も京都の名のある大工さんなのでは…という気もしてくる)
美術館ではさまざまなワークショップやジャズ、クラシックやバロックコンサート等も定期的に開催。尾道の隠れた本格的日本庭園、ぜひ足を運んで見て。
(2023年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)