家康が築いた特別史跡“名古屋城”の三之丸の最南東部、名古屋市公館の庭園に残る大名庭園級の遺構。
名古屋城三の丸庭園について
「名古屋城三の丸庭園」(なごやじょうさんのまるていえん)は徳川御三家の一番手・尾張徳川家の居城で国の特別史跡『名古屋城』の“三之丸”に残る庭園。現在は平成元年に建設された『名古屋市公館』(THE SHUGEN 名古屋迎賓館)の庭園の一部として無料公開されており、国指定名勝の『名古屋城二之丸庭園』とよく似た石組が見られます。
1610年(慶長15年)、関ケ原の戦いの後「大坂の陣」への備えとして徳川家康により築城がはじまった『名古屋城』。加藤清正をはじめ細川忠興、福島正則、池田輝政、黒田長政、金森可重などなど20数名の西国の大名が普請助役を任ぜられ、“天下普請”と称されます。
天守や御殿の建つ本丸・庭園の残る二之丸から東〜南にかけて存在した「三之丸」。往時は尾張藩の重臣たちの武家屋敷が立ち並んでいたそう。現在は当時の建物は現存せず、愛知県庁をはじめ名古屋市役所・裁判所・警察局・法務局が立ち並ぶ官公庁街となっていますが、城郭の面影を残す空堀および土塁は特別史跡「名古屋城跡」に含まれます。
その三之丸の南東の端に建つ『名古屋市公館』は国内外からの賓客を迎える迎賓館として、また名古屋市民の会議・イベントの場として利用されている施設で、芝生が広がる庭園の一角には古庭園の遺構が残ります。
訪れるきっかけになった東海地方の庭園を取り上げた書籍には“名古屋城の築城前、桃山時代から存在した庭園”と言うようなことが書かれてたけど、別の文献では明治時代に復元・整備されたともある…。
そのへんの年代はさておき、名古屋城の土類を築山としてそのまま利用したとてもスケールの大きい庭園で――石橋や庭石も一つ一つが大きく、二之丸庭園の“北御庭”と酷似した青石・奇石が多数使われている。枯池の最奥にある石組は二之丸庭園の作庭者・上田宗箇好みの石組っぽい。
元々あまり管理状態は良くないそうだけど、枯池の護岸まわりには紅葉の木が多いので秋にはきっと紅葉が美しいはず。また別の季節にも見に訪れたい!
(2022年3月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
名古屋市営地下鉄 名城線・桜通線 久屋大通駅より徒歩7分/市役所駅より徒歩6分
最寄りバス停は「市政資料館南」バス停 徒歩2分
〒460-0001 愛知県名古屋市中区三の丸3丁目2-5 MAP