妙感寺庭園

妙感寺庭園について

【要電話予約】
「妙感寺庭園」（みょうかんじていえん）は滋賀県指定名勝に選ばれている、江戸時代中期の池泉鑑賞式庭園。

京都に次いで国指定名勝の庭園が多い滋賀県。県の指定名勝にも素晴らしい庭園が多いので、これまでも滋賀県の文化財課の出している一覧から調べて色々と巡ってきました。
その中で――近江八幡市の南部にある2つの滋賀県指定名勝『福寿寺庭園』と『妙感寺庭園』は――お寺の公式がないのは仕方ないとして、滋賀県や近江八幡市の自治体・観光サイトにもほとんど情報がなく。妙感寺は同名の湖南市のお寺さんが出てきてしまう…。

とりあえずGoogle先生が掲載している電話番号は正しいので、そこからそもそも庭園の拝観が可能かどうかからお電話でお聞きし、2019年夏にこの2つの庭園に初めて訪れました！（春に電話した時には都合が合わず拝観をお断りされたので再チャレンジ。）そしてこの妙感寺庭園…情報が少ないのがウソのように素晴らしい庭園だった！

妙感寺と福寿寺のある“岩倉町”は1200年頃（鎌倉〜室町時代）から岩倉山から採れる良質の石材を加工を行う、“岩倉石工”と呼ばれる石工の町でした。その職人は近江八幡の八幡堀のみならず大坂城の工事にも携わったとか。ただし現代に入り採石が終了し、現在ではその職人も少なくなっているそう。

この「具足山妙感寺」は日蓮宗のお寺。略縁起の石板をざっくり読むと…鎌倉時代の1294年、日蓮の遺命を受け上洛した法孫・日像上人がその帰りにこの岩倉の地に立ち寄り。その時に住民がその教えに感銘を受け、真言宗の寺院から改宗し現在の寺名に――みたいな感じで合ってる？
また寺宝の宝塔、菩薩像、日審聖人の御真筆などが元日と8月16日に御開帳・公開される――とあります。実際にこの日に寺宝公開されているかは、お電話にてご確認を。

そして岩倉山を借景にしたこの池泉鑑賞式庭園は地元・岩倉の岩や巨石を数多く使った石組が見所。枯池の中央にある鶴亀島の石組もかっこいいし、その左手にある自然石の石橋、その奥にある巨石は断崖を表現しているとされます。

基本は書院から座って眺める座鑑式庭園だけれど、本堂へとつながる渡り廊下から眺めると鶴亀島〜石橋〜巨石の連続性も素晴らしいことがわかるし、許可をいただいて庭園内を歩かせていただくと、庭園上部にもこまごまと石が多く配されていることがわかる。回遊式庭園としてもとても魅力的な庭園――。

ご住職にもとても親切にご対応いただいきました。滋賀県の観光情報サイトって結構こまごまと（観光寺院でなくても）寺社仏閣が載ってたりするので、なんで載ってないんだろ…決して観光を拒絶しているという感じでもなかったので。（個人で予約して訪れたからというのはあるかもしれませんが。）
ということでお寺さんが嫌でなければ、ここは本当に推したい庭園…！頭上のサルスベリの花もきれいだったなあ。サツキも多く植わっているので次回は晩春にも訪れてみたい！

（2019年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。）