毎年5月に行われる城下町のオープンガーデン。寺院の庭から武家屋敷、国登録有形文化財の商家の坪庭まで。
城下町村上 春の庭 百景めぐりについて
【毎年5月の期間限定】
「城下町村上 春の庭 百景めぐり」は毎年5月1日〜31日の1ヶ月間、城下町村上で開催されているオープンガーデンのイベント。元々の歴史ある城下町という背景から、町家・商家・武家屋敷・寺院とそれぞれに“優れた庭園が残っている”という所に価値が見出され、2015年より観光イベントとして広く開かれたもの。(2020年のイベントは残念ながら中止)
2019年5月に初めて村上を訪れ、『普済寺庭園』、『長楽寺庭園』、『満福寺庭園』とともにこのイベントの公開庭園も少しだけ回りました!ので紹介。
■岸家(1〜5枚目)
続日本100名城の「村上城」の麓にある岸家。特に説明はないけど立地的には元は武家屋敷があったんじゃないかなあという感じがする。
この岸家はマップに“ツツジの垣根”と書かれている通り、この時期カラフルに花を咲かせたツツジが見事。けど垣根だけでなく中の庭園も多くのツツジと苔が美しい!飛び石・石橋の園路を歩く回遊式の和風庭園。
■千年鮭 きっかわ(6〜10枚目)
村上の商店街の中心。きっかわさんは村上の名産である鮭料理を加工販売している会社で、明治時代に建築された主屋・店舗、江戸時代の土蔵が国登録有形文化財となっています。なので今回公開されていた2つの坪庭もその頃からの歴史があるものでは、と推測。
元は江戸時代初期に創業した頃は米問屋、江戸時代末期〜近代までは造り酒屋を営んでいたきっかわさん。昭和年代から鮭を主軸とした商売へと舵を切り、現在ではオンラインショップや鮭料理専門店の運営にも取り組まれています。
そして店舗内の見所はお庭よりも文化財建築よりも、天井から吊り下がっている1000匹もの鮭…!圧巻!なおこの姿とともに、村上の鮭料理・加工についてのガイドも。今回訪れた時には多くの方が聞かれていた。
…という感じで今回紹介しているは2箇所だけですが、前庭や小さな坪庭など含めて期間中は約50の庭が公開されます。きっかわのお隣「益甚酒店」さんも国登録有形文化財で…考え方によっては“旧武家屋敷や国登録有形文化財が公開されてるイベント”でもあり。次回は一日滞在して可能な限り巡ったりしたい!
また案内マップには下記のような文言も。
『この催しは参加者のご厚意で実施され、公開される庭園は個人のお庭です。マナーを守ってご鑑賞ください』
『庭主の方は趣味で楽しまれています。不用意な批判はお控えください』
などなど。全くもってそのとおりで、“庭”はあくまで生活や日常に密着したもの。「みんな違ってみんな良い」を楽しむカルチャーだと思います。
(2019年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)