
京都の中心商店街に店を構えて400年以上、近松門左衛門の浄瑠璃にも記された老舗針屋に残る京町家の近代の庭園。
三條本家 みすや針について
「三条本家 みすや針」(さんじょうほんけ みすやばり)は京都の中心・三条河原町に江戸時代初期からお店を構える、400年以上の歴史を持つ針の老舗。およそ150年前に作庭された京町家の庭が残ります。
三条商店街を入ってすぐ、人気の雑貨店だった“ミカヅキモモコ”が2021年に惜しまれつつ閉店――その後は2022年現在も空きテナントになっていますが、その空室の奥にチラッと庭の姿が見える…!?そのことに一年間気づかなかった…!
そのビルの奥に店舗をかまえるのが「みすや針」さん。東海道五十三次の始点・三条大橋の先のこの地には約400年前から店舗を構え、当時の京都で謡われた歌や近松門左衛門の浄瑠璃作品“浦島年代記”にも登場する、文字通りの“京都の老舗”。慶安年間の1651年には宮中の御用針司に、現在の“みすや”の屋号は1655年に後西天皇(後西院天皇)より賜ったもの。
実は三条通りに面したビルの名は「みすやビル」。よく見たらビル前面にも「本家みすやばり 福井藤原勝秀」の看板が掲げられている。店舗入口には明治時代の内国勧業博覧会のメダルや、“福井”と刻まれたかつて使われた茶釜も展示されています。
店先にはおよそ150年前(=明治時代)に京町家の庭として作庭された庭園が残ります。初めて気づいた時がちょうど雨の日で、濡れた飛び石や庭石、そして苔むした伽藍石、つくばいが美しい(近年は猛暑で維持も大変なのだそう)。
アーケード街の隠れ“穴場スポット”には小鳥が次々と訪れ、3月下旬からは背の高い枝垂桜が花を咲かせ、庭園を彩ります。ご当主のお言葉に甘えて自分もすでに何度か眺めに訪れていたり…。
現代には需要も少なくなり“日本で唯一の縫い針屋”というみすや針。庭園も見つつ、専門店の和裁用の縫い針もチェックしてみて。当時の旅人と同じように京土産にも!
(2022年2月・4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
京都市営地下鉄東西線 京都市役所前駅より徒歩4分
京阪本線 三条駅より徒歩5分
最寄りバス停は「京都市役所前」バス停 徒歩4分
〒604-8036 京都府京都市中京区石橋町26 MAP
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