万葉集にも詠われた“三尾山”を借景として平成年代に作庭された、石組がド迫力で立体的な池泉回遊式庭園。
水尾神社・水尾庭園について
「水尾神社」(みおじんじゃ)は高島市の南部にある高島市の総社で、創建は不詳ですが奈良時代の765年には存在した記録があるという古い神社。古代にこの地を治めた豪族・水尾君(三尾君?)の祖とされる垂仁天皇の皇子・磐衝別命と、この神社の拝殿でのちの継体天皇を出産された生母・振姫(比咩神)が祭神として祀られています。
現在の境内の大部分を占める、立体的でど迫力な回遊式庭園“水尾庭園”は平成8年(1996年)に完成したもの。設計施工は前河建設・前河一男さん。この方についてググっても情報が全然無い…高島市、滋賀県には前川建設という会社は無いようだし。兵庫県加古川市にある前川建設さんが造園工事も扱っているようなのでそこなのかな。 完成碑をもう一度拡大して見たら“前河建設”さんでした。高島市のこの神社の近くにあります。しかし地元の大きくない会社さんが手掛けられたとは思えない、ド迫力な庭園…!
現代の重機の力を良い意味で思いっきり活かした庭園――と言って誉め言葉として伝わるか不安ですが、こんな立体的な石組は初めて!磐座の巨石から始まり――山の斜面を活かして2段の池泉庭園を設け、それぞれにとにかく無数で(かつ大きな)岩による石組がなされている。山からの水が上段にある滝組を通じ、下段の池泉まで流れ込む――壮大な庭園。これらの石はこの山から採取されたものとお聞きしました。
境内の背後にある三尾山は万葉集などにも詠われたという古くからの景勝地。庭園の一番高いところから眺める田園や山々の風景も美しい!
江戸時代には江戸幕府8代目将軍・徳川吉宗が神輿を奉納、9代目将軍・徳川家重により社殿が再建。現在こじんまりとした本殿が残っていますが、これがその時に再建されたもの(なので250年ぐらいは経っている)。また境内には鎌倉期の石塔なども残るそう。
訪れていた時は自分以外には参拝客が居らず、神社の方にも「東京から?よく調べてきたねぇ…」と言われたけどw、その方は時間をかけて庭園の掃除をされていたので――庭園が大切に思われていると感じた。訪れたのが好天の日の夕方で、逆光を避けながらの写真なのであまりきれいではないのですが……この庭園の迫力が少しでも伝わればと!
(2019年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR湖西線 近江高島駅より約3km(徒歩約30分)
近江高島駅より路線バス「下拝戸」バス停下車 徒歩3分
近江高島駅に受付時間短いけどレンタサイクルあり⇒こちら
〒520-1132 滋賀県高島市拝戸716 MAP