蓑虫庵Minomushian (Sachuan) Garden, Iga, Mie

俳人・松尾芭蕉の地元・伊賀上野の城下町に存在した“芭蕉五庵”で唯一現存する草庵。江戸時代初期の和風建築と庭園が三重県指定名勝。

庭園ギャラリーGarden Photo Gallery

蓑虫庵について

「蓑虫庵」(みのむしあん/さちゅうあん)は俳人・松尾芭蕉の地元・伊賀上野の城下町にあった芭蕉ゆかりの“芭蕉五庵”のうち唯一残る草庵。江戸時代初期の建築や露地風の回遊式庭園を含め、三重県指定文化財(三重県指定名勝および史跡)となっています。

2021年10月に初めて伊賀上野の城下町を訪れました!2022年3月に同じ伊賀市の国指定名勝『城之越遺跡』を訪れ紹介しましたが、中心部にはその半年前に訪れてた…紹介が遅くなったけど歴史的な街らしく幾つか庭園が。

江戸時代初期を代表する俳人で、歴史的にも最も有名な俳人・松尾芭蕉。“おくのほそ道”で東日本を巡っている印象も強いし京都にもゆかりの場所が幾つか残るけれど、出身は伊賀上野。城下には『芭蕉翁生家』や『芭蕉翁記念館』も残ります。そんな芭蕉の地元・伊賀上野にかまえられた草庵“東麓庵”“西麓庵”“無名庵”“瓢竹庵”とこの蓑虫庵は“芭蕉五庵”と呼ばれたそう。

蓑虫庵は芭蕉の門下生(蕉門)、服部土芳により1688年(貞享5年)に建立された居宅(草庵)で、庵開きで訪れた芭蕉が詠んだ俳句《蓑虫(みのむし)の 音(ね)聞きにこよ 草(くさ)の庵(あん)》にちなみ名付けられました。
幼い頃から芭蕉に俳諧を学び、大人になった後に東海道・水口宿で芭蕉と20年ぶりの再会を果たした服部土芳。晩年にかけてこの草庵で芭蕉の偉業を後世に伝えるため『三冊子』(三草子)、『蕉翁句集』『蕉翁文集』などを執筆されました。

土芳の没後には一時荒廃したものの、江戸時代中期の安永年間に地元伊賀の豪商・築山桐雨、江戸時代後期の文化年間には豪商・服部猪来らにより再興。
明治時代には町井台水、辻本専之助、中村玄瑞、濱邊毎文、菊本碧山(菊本直次郎)、赤塚進一といった篤志家/パトロンに継承され敷地も現在の規模に拡張。管理棟やその背後の茶室&露地庭、そして大津の義仲寺芭蕉堂を模した“芭蕉堂”が造営されたのは1930年(昭和5年)で、庭園にはその際に残された“俳聖芭蕉翁遺跡”と“蓑虫庵の記”の石碑も。(現在の管理棟は平成5年の文化財修理工事に伴い新築されたもの)

現在は住宅街の中に残された自然豊かな史跡…といった感じなのだけど、当初は城下町の南のはずれを選んで造られた蓑虫庵。現在の正門(&入場門)は南の通り沿いにありますが、東の通りの藁葺きの良い感じの門が元の正門。

庭園の一角に佇む藁葺・庇瓦葺屋根の和風建築が“蓑虫庵”。苔むした藁葺屋根の雰囲気もめちゃくちゃ良い。
そしてところどころ苔むした中に飛び石が配された露地風の庭園――建立当初からこのままなのか近代に手が加えられたのかはわからないけど、素朴な雰囲気の建築をより引き立たせていてすごく良い。

園内の各所には芭蕉の歌にちなんだ句碑があり、庵の前にある池泉のほとりには有名な《古池や 蛙飛び込む 水の音》の句碑があります(*この歌そのものは別の場所で詠われたもの)。

奥のお茶室も今となっては100年以上前の茶室と露地庭で、延段や小石を敷き詰めた基礎がすごく良い感じで、伊賀上野で一番好きな庭園はここ!10月初旬でも蚊がなかなかだったので(*受付でもスプレーを貸してくれました)、訪れるなら暑くない時期がオススメだけど――俳句ファンだけじゃなく庭園ファンにも訪れて欲しい史跡!

(2021年10月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

伊賀鉄道 茅町駅より徒歩6分・上野市駅より徒歩13分
JR関西本線 伊賀上野駅より路線バス「恵美須町」バス停下車 徒歩4分

〒518-0848 三重県伊賀市上野西日南町1820 MAP

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