飛鳥時代に役小角が開創した古刹“出雲大峯”に残る、大名茶人・松平不昧がお抱え庭師と作庭した雲州流庭園。
峯寺庭園について
【事前の電話確認推奨】
「中峯山 峯寺」(みねじ)は飛鳥時代の658年に日本の修験道の開祖・役小角により創建された真言宗御室派の寺院。当地の代表的寺院として“出雲大峯”との呼称も。七代目松江藩主・松平不昧こと松平治郷公ゆかりの雲州流庭園が残ります。出雲観音霊場第9番、出雲国神仏霊場第17番。
2020年11年、島根県の庭園巡りで初めて訪れました。雲南市の中心・JR木次駅から約3kmなので奥出雲の庭園と比べると山奥!って感じではない…のですが……お寺までの残り800mで標高を100m駆け上がる超急勾配(逆に下りも怖い)。しかも道も細く車のすれ違いは難しい。マイクロバスも7mまで可ってなってるけどマジかいな…。
開創の役小角。国宝の『投入堂』を投げ入れた人として有名ですが、この人が開いたお寺は本当に険しい場所ばかり…名前見て「あ、やっぱり」と思うようになってきた。境内から見下ろす街の風景と出雲の山の風景は神々しさがあります。まさに霊山。
所蔵している国指定重要文化財の絹本著色聖観音像は平安時代の作品(その他に鎌倉~室町期の県指定文化財も)。中世には出雲を治めた尼子氏や毛利氏の祈願所となり全盛期には山内には42もの僧坊があったそうですが、戦国時代に度々兵火に遭い荒廃。
江戸時代に入り、松江藩主・松平家の支援によって伽藍が整えられ現代へと至ります。石州赤瓦屋根が特徴的な本堂・庫裏は江戸時代末期の建築。本堂が唐破風屋根が出っ張っていてちょっと変わってるなぁと。
そして本堂・庫裏の裏に松平不昧公がお抱え庭師に作庭させたという枯山水庭園が残ります。その“お抱え庭師”が出雲流庭園の祖・沢玄丹かは不明…。
これまで見た“出雲流庭園”と比べると白砂ではなく土・苔が敷かれているという違いはあるけど(長年の時間の経過で変わってきたのかな、と思う)、高めに配された飛び石にそのスタイルが感じられる。サツキ等の刈込を近景に、借景には奈良時代に『出雲國風土記』にも記され古代から当地で信仰されている“伊我山”が取り込まれています。
事前予約で書院で庭園を眺めながら精進料理をいただくことも。サツキが花を咲かせる時期、青空の下でまた眺めたい庭園!
(2020年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)