紫陽花咲き誇る京都の“あじさい寺”の日本庭園は、現代の代表的作庭家・中根金作が作庭した“与楽園”。
三室戸寺庭園“与楽園”について
「三室戸寺」(みむろとじ)は奈良時代に創建された古寺。現在ではツツジやアジサイの名所として知られ、その日本庭園は『足立美術館庭園』で知られる昭和を代表する作庭家・中根金作が作庭したもの。日本遺産『西国三十三所観音巡礼』の10番札所。2020年6月あじさい苑が開園中に初めて拝観!
770年(宝亀元年)に光仁天皇の勅願により“御室戸寺”として創建。それ以来平安時代にかけては天皇も訪れる皇室ゆかりの寺院となり、光仁天皇、花山法皇、白河法皇と三帝の離宮になったあたりから御の字を“三”と改めて称するようになったとか。
その後戦国時代には織田信長と足利義昭の戦にも関与したりと興隆と衰退を繰り返しつつ、現在残る三重塔は江戸時代中期の1704年、本堂は江戸時代後期の1814年の建立。阿弥陀堂や鐘楼とあわせて京都府指定有形文化財となっています。ちなみに、この本堂の奥には国指定重要文化財の十八神社本殿も(…気づかなかった)。
ちなみにツツジやアジサイのみならず“蓮園”にも力を入れられているようで、本堂前には多くのハスが並んで中にはもう花が落ちたものも。
伽藍が立ち並ぶ高台からは一段低いエリアに、1988年(平成元年)に中根金作により作庭された日本庭園“与楽園”やあじさい苑、つつじ・しゃくなげ園があります。
日本庭園は鶴亀島の浮かぶ大きな枯山水庭園と、池泉回遊式庭園。明星山の中腹という立地からいずれも周囲の山々の借景も美しい。またその周囲にはモミジが多く植わっているので秋には紅葉の名所にも。中根金作が京都府内で手掛けている中では『城南宮』と並んで大規模なもの。四季の花々のみならず、日本庭園にも要注目!
あと個人的には約2万株のあじさいの咲き誇る“あじさい寺”というイメージが強かったけれど、今回訪れて斜面にびっしりと植わっているツツジがすごいと思った。こちらも約2万株。次回はツツジの花が咲く4月末~5月初旬に訪れてみたい!
(2020年6月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
京阪宇治線 三室戸駅より徒歩15分強
JR奈良線 宇治駅より徒歩30分
宇治駅より路線バス「門前」バス停下車 徒歩5分
〒611-0013 京都府宇治市菟道滋賀谷21 MAP