御倉屋

Mikuraya, Kyoto

瀬戸内寂聴や中村汀女、堂本印象も愛した和菓子店…数寄屋大工の名匠・中村外二の現代数寄屋建築で坪庭を眺めながら“菓匠”の京菓子とお抹茶を。

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御倉屋について

「菓匠 御倉屋」(みくらや)は京都・洛北にある京菓子店。その建築は京都を代表する数寄屋大工・中村外二(中村外二工務店)の設計・施工。京都の庭師による坪庭を眺められる店内でお抹茶とお菓子をいただくこともできます。

京都観光的にはあまり馴染みがないかもしれない、けれど近年運営が活発化している京都の都市公園『大宮交通公園』からすぐ。初代・後藤常三さんにより創業されたのは昭和年代の1947年と(京都の中では)比較的新しいながらも、その店名の揮毫は近代京都を代表する画家のひとり・堂本印象、そして広辞苑著者・新村出、昭和の代表的な女流俳人・中村汀女、歌人・吉井勇、作家・安岡章太郎、大徳寺管長・後藤瑞巌、そして瀬戸内寂聴さんなど数多くの文人/文化人が好んで通いコメントを寄せられている和菓子店。

現在の店舗は平成年代に新築されたもので、三階建てのコンクリート造は一見普通の現代の店舗兼住居のようで、その軒の深い玄関の前に立ち、一歩店内に足を踏み入れると茶室に訪れたかのような空間に。名匠・中村外二の晩年の作品となるこの現代数寄屋建築、伝統的な和風建築の美しさ+床に敷き詰められた連続する六角形のデザインがモダン。

その正面には決して広くはないながらシンプルながらカラフルな庭石でモダンに空間を彩るかっこいい坪庭があります。その坪庭を目の前にしてお抹茶・お菓子をいただくことも。直木賞受賞作家・村上元三さんの《ほんとうをいうと、この御倉屋の菓子は、あまり提灯持ちをしたくない。/知っている人だけのあいだで、そっとしておきたい気もする》の言葉を胸にそっとしまいつつ、京都の落ち着く空間に出会いたい方はぜひ訪れてみて。

(2022年12月、2023年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

京都市営地下鉄烏丸線 北大路駅より徒歩25分
最寄りバス停は「大宮交通公園前」バス停 徒歩1分

〒603-8416 京都府京都市北区紫竹北大門町78 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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