“壬生狂言”“壬生寺節分会”そして新撰組ゆかりのお寺として知られる古刹でGW時期に特別公開される京都市指定名勝の文化財庭園。
壬生寺庭園について
【庭園は通常非公開】
「壬生寺」(みぶでら)は平安時代に創建された律宗の大本山寺院。京都三大念仏狂言に挙げられる“壬生狂言”や“壬生寺節分会”、そして新撰組ゆかりの寺院としても知られます。
例年ゴールデンウィーク前後に公開される“壬生狂言”。その時期に合わせて通常非公開の京都市指定名勝の庭園も特別公開されます。2020〜2021年は残念ながら非公開でしたが、2022年の3年ぶりの公開で初めて鑑賞しました!
歴史について。平安時代中期の991年(正暦2年)、快賢僧都により創建。御本尊の延命地蔵菩薩像は国指定重要文化財、そのほか歯薬師如来像・五仏錫杖頭や長谷川等伯による桃山時代の「列仙図屏風」等の国重要文化財を有します。
毎年2月に行われる『壬生寺節分会』は壬生寺が平安京の裏鬼門に位置したことから発し、平安時代から950年以上の歴史をほこり多くの人が訪れます。現在地に移転したのは鎌倉時代初期の1213年(建保元年)。“壬生狂言”は中興の祖・円覚上人の時代に悪疫駆除のために行った法要で、今日では国の重要無形民俗文化財に。
観光客目線で有名なのは「新選組ゆかりの寺」という点。幕末に京都・壬生の地で誕生し拠点とした新選組。この壬生寺の境内も隊員が大砲や剣術など武術を訓練した場となり、境内の“壬生塚”には局長・近藤勇の胸像と遺髪塔、すぐ近くの壬生屯所跡『八木邸』で亡くなった芹沢鴨をはじめとするメンバーの墓所があります。
現在残る建造物の中では大念仏佛堂(狂言堂)は江戸時代後期の再建で国重要文化財。本堂は昭和の中期に一度焼失して1970年(昭和45年)に再建された比較的新しいもの。お隣の“千体仏塔”も平成年代の建築。
通常非公開の庭園は本堂の裏にあります。江戸時代中期に当時の造園家・北村援琴が記した『築山庭造伝』にも掲載された江戸時代初期〜中期作庭の庭園で、四条通りから近い京都の中心市街地の中では屈指の古庭園。
本来は本堂側から西側を向いて眺めるのが正面だったようだけど、“天明の大火”や昭和の火災を経て、現在は北側から南へ向けて鑑賞する形。現在は枯池になっていますがかつては池泉に水を蓄えた池泉鑑賞式庭園。チャートを中心とする石を用いた枯滝石組を中央に配して、そこに約4メートルに及ぶ切石橋を架けます。
現在の鑑賞ポイント(書院南)手前の飛び石〜茶室は昭和年代の本堂再建の際に整備されたものかな?と思うけど、良い感じ。池泉を囲むモミジも新緑で美しかったので、いつか紅葉の時期にも公開されてほしいなー!
(2022年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
阪急京都線 大宮駅より徒歩8分
嵐電本線 四条大宮駅より徒歩8分
JR嵯峨野線 丹波口駅より徒歩9分
最寄りバス停は「壬生寺道」バス停下車 徒歩3分
〒604-8821 京都府京都市中京区壬生梛ノ宮町31 MAP