俳人・松尾芭蕉が江戸へ向かう途中に俳句に詠んだ江戸時代初期の池泉回遊式庭園。彦根市指定名勝。
明照寺庭園について
「妙法山 明照寺」(めんしょうじ)は彦根城から南西約3km程の場所にある浄土真宗本願寺派の寺院。江戸時代には俳人・松尾芭蕉が訪れ、芭蕉が俳句にも詠んだ庭園が彦根市指定名勝となっています。
2020年秋に初めて拝観。元々は天台宗の寺院として多賀町で創建。その後浄土真宗に改宗し、現在地に移ったのは1599年(慶長4年)。
1600年代後半に14代目住職をつとめた河野李由は俳人として松尾芭蕉に師事。その縁もあり松尾芭蕉も1691年(元禄4年)秋に大津から江戸へ向かう途中で立ち寄り、以下の句を詠みました。
《稲こきの 姥もめでたし 菊の花》
《百歳の 気色を庭の 落葉かな》
このうち後者は、現在も残る池泉回遊式庭園を眺めながら詠んだもの。庭園の作庭年代は不明ですが、少なくとも芭蕉が訪れるまでの江戸時代前期に作庭されていたことになる。
Uの字をした池泉の中に中の島とその先に築山があり、その中の島や護岸に石組が見られる。主木の梅は河野李由お手植えのものとされ、樹齢約300年をほこります。
河野李由の晩年、1701年に建立された本堂が現代まで残っていましたが昭和後期に火災で焼失、現在の建物はその後再建されたもの。現在境内には松尾芭蕉および李由の句碑が残ります。
(2020年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR琵琶湖線 南彦根駅より徒歩15分強
彦根駅より路線バス「戸賀団地」バス停下車 徒歩3分、「小泉」バス停下車 徒歩5分
〒522-0041 滋賀県彦根市平田町743 MAP