岐阜県重要有形民俗文化財指定の酒蔵の、江戸時代中期の主屋に面する庭園。酒樽を用いたかわいい茶室も!
松井屋酒造場について
【庭園は特別に見せていただきました】
「松井屋酒造場」(まついやしゅぞうじょう)は戦国時代の美濃国の山城・加治田城の城下に残る、江戸時代から続く酒蔵。江戸時代中期の建てられた酒蔵および当時からの用具・古文書が“富加の酒造用具及び酒造場附文書”として岐阜県指定重要有形民俗文化財となっています。
夢窓疎石作庭と伝わる『東香寺庭園』が目的ではじめて訪れた岐阜県の富加町。加治田の町を訪れたのは『龍福寺』が目的。戦国時代には加治田城の城下町だったこのエリア、江戸時代には美濃と飛騨を結ぶ宿場町になりました。そんな旧宿場町のアーチをくぐってすぐある、宿場町らしい町家がこの酒造資料館。(生産されているお酒の販売もされています)
文化財指定されている酒造用品・文章は約3,500点ですが、展示されているものは約7,000点。最初は建物目的で見学し始めたのですが…「庭園とかあったりします?」とお聞きしたところ(今思えばとても図々しい…)、やはり古くから残る庭園があるということで見せていただきました!
風味ある石の飛び石が並ぶ、枯池の庭園。主屋が建てられたのが寛政年間(江戸中期)だからこのお庭もそれぐらい歴史があるのかも。
そして庭の片隅に面白いものが!大きな酒樽を利用した茶室。中に“洗心”という額が掲げられているので“洗心庵”という名前だったのだろうか。先代?のご当主の好みで造られたものだそうで。中には当初の写真も飾られていたり、今も大切に保管されています。京都の『しょうざん庭園』にも酒樽を使った庵があったけど、それよりも大きいしシンプル。このデザインがめっちゃ好き。
なお「以前は隣の敷地に、昭和の頃に『正眼寺』の庭園を造られた京都の方の庭園があった」と……これ聞いた時は「えっ、重森三玲のこと!?」と思ったけど氏の庭園リストには富加町はないからまた別の人(ともに担当してた庭師)か。正眼寺とこの加治田の城下・宿場町の繋がりを感じる話でもあります。
(2019年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
長良川鉄道 富加駅より約3km(徒歩40分)
JR太多線 美濃太田駅より約7km(駅前にレンタサイクルあり)
美濃太田駅よりコミュニティバス「関也公民館」バス停下車 徒歩15分(本数僅少)
〒501-3301 岐阜県加茂郡富加町加治田688-2 MAP