萬徳寺庭園

Mantoku-ji Temple Garden, Obama, Fukui

小浜藩主・酒井氏の命で作庭された江戸時代初期の蓬莱式枯山水庭園。国重文の平安時代の阿弥陀如来像も。

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萬徳寺庭園について

「萬徳寺」(まんとくじ)は小浜市の国宝・国重文を所蔵する“八ヶ寺”の一つで、江戸時代初期に作庭された枯山水庭園が国指定名勝となっています。

若狭国の鎌倉期の文書に記載のある「極楽寺」が萬徳寺の前身とされます。戦国時代に若狭を治めた守護大名・武田信豊により祈願所・駆け込み寺となった後は兵火により一時衰退しましたが、江戸時代初めに小浜城主となった京極高次により再建、現在の寺名となりました。

京極氏の次に小浜藩主となったのが酒井忠勝。江戸幕府では三代目将軍・徳川家光や四代目・徳川家綱の重臣として老中・大老を務めた大名。その後、酒井氏の命により萬徳寺は現在地に移転し、その際に現在国指定名勝となっている蓬莱式枯山水庭園が作られました。
茅葺屋根の書院前に広がるこの庭園の築山は「埋石式庭園」と言われる形で造営されていて、築山の頂上に建つ三尊石の高さは3メートル!晩春にはその築山に植わっている多くのツツジが庭園を彩り、秋には庭園の借景となっている国天然記念物の大山モミジが庭園を彩ります。樹齢500年と言われるそのモミジは日本の紅葉100選にも選定。

鑑賞式庭園ではあるのですが、高台に建つ本堂(阿弥陀堂)へ登る階段などの回遊路から様々な角度で庭園を眺めることができます(高台からの山間の風景も素敵)。そしてその阿弥陀堂に鎮座している平安時代の仏像「木造阿弥陀如来坐像」は国指定重要文化財。
書院(庭園と同じく江戸時代初期の造営)や本堂も古建築なのですがこれらは文化財指定を受けていないみたい…意外。2019年に約5年ぶりに再訪しましたが、いつか紅葉期にも訪れてみたい!

東小浜駅から萬徳寺まで至る道の途中には、前述の「八ヶ寺」に含まれる若狭国分寺や、八ヶ寺とは無関係ですがパワースポットと言われている「若狭姫神社」も。また鯖街道の古い町並みはこの辺りでも見られます。

(2014年8月、2019年3月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR小浜線 東小浜駅より約2km(徒歩25分)
※JR小浜駅前の観光案内所と東小浜駅にレンタサイクルあり。要問合せ

〒917-0242 福井県小浜市金屋74-23 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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