摩訶耶寺庭園Makaya-ji Temple Garden, Hamamatsu, Shizuoka

美しい石組から鎌倉時代初期の作庭と推定されている、静岡県内及び東海地方最古かつ日本屈指の歴史的庭園。

庭園ギャラリーGarden Photo Gallery

摩訶耶寺庭園について

「大乗山 宝池院 摩訶耶寺」(まかやじ)は奈良時代に行基菩薩により創建された静岡県内最古級の寺院。浜名湖岸新四国第二番霊場。鎌倉時代初期に作庭されたと推定されている、静岡県内及び東海地方最古級の庭園が静岡県指定名勝。
井伊直虎で有名になった国指定名勝『龍潭寺庭園』などと共に選ばれているのが遠江八景“五山晩鐘”(ござんのばんしょう)。2020年12月に訪れた際の写真を追加(庭園修復のため、水が抜かれている状態でした)。

その歴史は約1300年前の726年、行基により「新達寺」の名で開かれました。その後「真萱寺」(マカヤ寺)という寺名となり、平安時代末期に一条天皇の勅願で現在地に移転。摩訶耶寺という寺名、今の所ここしか知らない。
宝物館(要事前予約)では藤原時代初期~平安時代初期作とされる国指定重要文化財の千手観音像・不動明王像を所蔵。

江戸時代には湖北を治めた旗本・近藤家(近藤五家)のうちの一つ、大谷近藤家の祈願寺に。現在残る総欅造りの本堂は大谷近藤家の初代・近藤用行により1632年(寛永9年)に再建されたもの。天井には法橋関中による豪華爛漫な花鳥図も描かれています(こちらも要事前予約)。
また山門の“高麗門”は徳川家康が浜名湖畔に築城した水城『野地城』から、廃城となる際に近藤用行の子・近藤用高(幕府の長崎奉行)が1681年(延宝9年)に移築させたもの。

その庭園は手前に池泉、その中に中島を配し奥に築山をもうけた“池泉鑑賞兼回遊式蓬莱庭園”。
現在では静岡県の文化財になっており、日本庭園に関する書籍にも載っていたりしますが、その表舞台に出ていくまでの経緯が“江戸時代から名園と名高かった…”というような京都の庭園とは全く違うのがユニーク。

時はまだ50年前、1967年(昭和42年)に東名高速道路の工事でこの地を訪れていた日本庭園研究会?日本庭園協会?の水島信一さんが、仕事の合間に訪れたこのお寺で、泥に埋もれていたこの庭園を発見。その翌年からの調査により平安時代の作庭様式の影響が見られる庭園ということが判明。

その当時の庭園修復のアルバムを2020年12月に拝見させていただいたのですが、“完全に土中に埋もれていた”とかではなく、池中に噴水があったりと「公園」のようになっていた様子。その貴重なアルバムの中には、修復の視察に訪れた?かの作庭家・重森三玲の姿も…!(発掘・修復を手掛けた日本庭園研究会の会長・吉河功さんは重森三玲に師事)

静岡県内で最古の庭園であるだけでなく、鎌倉時代以前の古庭園が石組を含め良好な状態で残っている例としては京都の世界遺産寺院の名園(西芳寺、天龍寺、浄瑠璃寺など)と並び日本国内でも稀有な庭園と言われます。
初めて訪れた際も「三ヶ日にこんな庭園があったのか!」と驚いたのですが、その後2013年~2014年にかけて庭園修復プロジェクトが実行。当初と比較して、築山や亀島・鶴島の芝生も新しく貼り替えられ(雑草も減り)、庭園の下手奥で樹木が生い茂っていたエリアもすっきりし現在はお墓や羅漢像の姿が見えます。

初めて訪れた2013年以降で、全国の庭園を1,000箇所以上巡り多少なりとも知識もついてきたと思うんだけれど、改めて三ヶ日の外れにこれだけの古庭園が残されていることが不思議…。
静岡県西部民として、地元の人にもよりその魅力を知って、後世に残されて欲しいお寺さんです。これからの季節、夏には池中の睡蓮も見所!

*2020年12月の拝観の様子は、『おにわさんと行く!遠州のお寺と庭園巡り【長楽寺・摩訶耶寺編】』(ジェンヌちゃんねる)でも紹介されています。解説しているようで、「いい庭だなあ」しか言ってないですが。笑。

(2013年6月、2019年4月、2020年12月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

天竜浜名湖鉄道 三ヶ日駅より約2km(徒歩25分) ※三ヶ日駅にレンタサイクルあり
東名ハイウェイバス(高速バス)「東名三ヶ日」バス停から徒歩10分強

〒431-1413 静岡県浜松市北区三ヶ日町摩訶耶421 MAP