令和の新一万円札の肖像画となる渋沢栄一の邸宅に作られた庭園と、ステンドグラスの美しい洋館「青淵文庫」。
旧渋沢庭園(旧渋沢家飛鳥山邸/曖依村荘)について
令和の新一万円札の肖像画に決まった、明治〜大正の近代を代表する官僚・実業家、渋沢栄一(しぶさわえいいち)。都内の桜の名所「飛鳥山公園」の南側の一角は明治〜昭和の約30年に渡って渋沢栄一の邸宅『曖依村荘』があった場所で、その一部が「旧渋沢庭園」(きゅうしぶさわていえん)として開放されています。
現在「渋沢史料館」「北区飛鳥山博物館」「紙の博物館」と連なる「飛鳥山3つの博物館」があった場所に本邸や茶室があったとされますが、その多くが太平洋戦争の空襲により焼失。幸いにも被害を免れたコンクリート作りの洋風建築『青淵文庫』と、洋風にも和風にも見える近代建築『晩香廬』が現在の「旧渋沢庭園」内に残っており、いずれも大正時代の近代建築として国指定重要文化財となっています。設計はいずれも田辺淳吉。個人的には「富山銀行本店本館」「旧第一銀行小樽支店」も見たことがある建築家さん!
※ちなみに『青淵文庫』のステンドグラスは「マツコの知らない世界」のステンドグラス特集でも上位にランクインしてました。
通称「曖依村荘」の庭園の作庭を手掛けたのは、早稲田大学構内の『大隈庭園』も手掛けた大阪の作庭家・佐々木可村(佐崎可村)と新潟の国指定名勝『旧齋藤家別邸庭園』も手掛けた2代目松本幾次郎・亀吉。現在はいかにもな日本庭園が残っているわけではないですが、芝生広場を抜けて奥へ進むと石灯籠や飛び石などの遺構が見られます。渋沢栄一に関する博物館「渋沢史料館」をちゃんとチェックすれば、古い庭園の写真とかもあるかもな~…。
そのほか飛鳥山公園は広場に気になる石庭も!飛鳥山公園を手掛けたのは長岡安平。
(2016年11月、2017年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・交通 / Locations
JR京浜東北線 王子駅より徒歩6分(南口から)
東京メトロ南北線 西ヶ原駅より徒歩6分
都電荒川線 飛鳥山電停より徒歩5分
〒114-0024 東京都北区西ケ原2丁目16-1 MAP