
JR美唄駅の程近く、炭鉱で栄えた美唄で町長/市長を歴任した名士・桜井家の旧邸。近代和風建築を囲む庭園には、北海道指定有形文化財“美唄屯田兵屋”も。
旧桜井家住宅について
【冬季休館/水・日のみ開館】
「旧桜井家住宅」(きゅうさくらいけじゅうたく)は北海道美唄市に明治時代に建築された近代和風邸宅(美唄市指定文化財)。美唄町長・桜井良三/初代美唄市長・桜井省吾の親子を輩出した美唄の名家・桜井氏の旧邸で、現在は「美唄市立公民館桜井邸分館」として活用されています。お屋敷を囲む庭園的にある「美唄屯田兵屋」が北海道指定有形文化財。
美唄市の代表的なランドスケープ/庭園と言えば『アルテピアッツァ美唄』、近代文化遺産としては『三菱美唄炭鉱』。これらはいずれも美唄市の郊外に位置しますが、JR美唄駅の程近く(徒歩10分弱)にも北海道指定&美唄市指定の文化財建築が残ります。それがこの旧桜井邸。
前述通り、美唄の名士の桜井氏の自邸として明治時代(明治34年・1901年)に建築され、大正時代〜昭和時代初期に掛けて増築されたのがこの旧桜井家住宅。(※ちなみに美唄市はその後も桜井道夫、桜井恒(現・市長)と「桜井さん」が首長をつとめています。両氏が桜井省吾氏からの血縁関係かどうかは不明)
訪れた日は残念ながら修理作業中で内部見学はできなかったのですが、玄関のガラス+菱形の意匠や、大正時代に増築された離れ座敷の一面ガラス張りのデザイン(小屋組には洋風トラス小屋組が用いられているそう)など、和洋折衷の近代和風建築になっています。
その離れ座敷の手前に、池泉鑑賞式庭園…の痕跡が残ります。現在は雪見燈籠が傾いていたり草むらが広がっていたり…という状況だけれど、その草むらの中には中島があったり、元々は割と大きめの池泉だったはず…。
そんなかつての主庭園は表にありますが、建物の奥・裏庭も苔むした緩やかな築山のあるお庭が広がる。その中に位置するのが「美唄屯田兵屋」と「美唄屯田騎兵隊火薬庫」。北海道指定有形文化財の「美唄屯田兵屋」は1891年(明治24年)に美唄に設置された、北海道唯一の「屯田兵特科隊」に所属した屯田兵集落の住居。1970年にこの地に移築され、また美唄市指定文化財の第一号となりました。
1983年に桜井家から美唄市に寄贈され一般公開開始。また改めて内部の見学にも訪れたい…!
(2024年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
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