広島藩主・浅野家の菩提寺で“広島藩5ヶ寺”の一つにも挙げられた寺院に江戸時代初期に作庭された庭園の遺構。広島市指定史跡。
旧国泰寺愛宕池について
「旧国泰寺愛宕池」(きゅうこくたいじあたごいけ)は広島市の中心部“平和大通り”沿いにある庭園の遺構。広島市指定史跡。
広島の繁華街や平和大橋からも徒歩5分程の交差点の脇に、現在は枯池の庭園遺構が残ります。
元々この場所には桃山時代の1594年(文禄3年)に豊臣秀吉や毛利輝元にも重用された禅僧・恵瓊に創建された曹洞宗の寺院『国泰寺』がありました(創建当初は臨済宗・安国寺)。江戸時代には広島藩主・浅野家の菩提寺に。
全盛期には多くの末寺を持ち“広島藩5ヶ寺”の一つにも挙げられた国泰寺ですが、1945年(昭和20年)の原爆投下により全壊。その後は一度元の場所に再建されますが、昭和中期に広島市内の開発に伴い移転。現在この場所には“愛宕池”のみが残ります。
江戸時代初期には作庭されていたこの庭園は巨石による石組や石橋がその特徴。当時はこの場所まで海岸線が伸びていたらしく(平和大通りより南はそれ以降に埋め立てられていった場所)、ANAクラウンプラザホテル広島の前庭~交差点の角にある『白神社』の石組“白神社の岩礁”(こちらも広島市指定史跡及び天然記念物)まで連なっている岩を活かした庭園だったそう。広島の城下町の貴重な遺構。
(2021年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)