京都御所すぐ西のホールの例年秋に開放される日本庭園。現代の作庭家・枡野俊明による庭園と数寄屋建築の巨匠・中村昌生の茶室。
京都府民ホール“アルティ”/京都府公館庭園について
「京都府立府民ホール アルティ」(きょうとふりつふみんほーる あるてぃ)は京都の中心・京都御苑/京都御所のすぐ西(御所西)にあるホール。
1988年(昭和63年)に旧京都府知事公舎跡に開館。『京都府公館』を併設し、その日本庭園を現代の作庭家・枡野俊明さんの設計/京都の植藤造園さんの施工より手掛けられています。また庭園内の茶室は京都の茶室/数寄屋建築の巨匠・中村昌生さんの設計。
常時公開ではありませんが、例年秋の10月下旬〜11月中旬頃まで上京区のこの一帯で行われる『まちかどミュージアム』で土日祝日に公開/開放されます。御所西で同時期に毎年行われる音楽フェス『ボロフェスタ』の合間に訪れるのにピッタリ!
前身の『京都府知事公舎』が京都御苑・中立売御門前に完成したのは大正9年。近代的な洋館・和館の建築だったそうですが(それも見てみたかった)、戦後は公舎としての使用頻度が減少したことから昭和の終わりに現在の施設に建て替え。敷地内に残るエノキの大木は旧知事公舎時代から残るもので、京都府指定天然記念物となっています。
京都府公館のレセプションホールに隣接する形で池泉回遊式庭園があります。枡野俊明さんの公式サイト内の実績では3番目に古い、初期に手掛けられた作品。『京都御所』に近接する立地から?洲浜など伝統的な日本庭園の様式をベースにしながら、レセプションホールの広い間口からの眺めが現代建築との一体感も感じられる庭園。
手前に芝生の広場(初めて訪れた時は苔が侵食していたけど、2022年に訪れたら芝生が勢いを取り戻していた)、奥に緩やかに築山が築かれ、その中に茶室や滝石組〜渓流があります。『まちかどミュージアム』の時期に訪れると、流れや刈込み周辺のツワブキの黄色い花が毎回印象的。(春には大きな枝垂れ桜がきっときれいなんだろうなー。)
飛び石の園路を進むと梅見門をくぐって露地〜茶室へ。現代的で開放的な庭園序盤と比べて、露地の周囲はより“山や川の中”のような自然風の植栽。
茶室は立礼席と四畳半台目で構成されていて、初めて訪れた時はその中は見れなかったけど2022年訪れた時は躙口が空いてて中を見ることができた。
アルティではこの庭園〜茶室でのお茶席もセットとなったイベントチケットも時々販売されています。ぜひ京都の庭園と舞台/コンサートを併せて楽しんでみて。
(2019年10月、2022年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)