KYO AMAHARE

京雨晴

“雨の日こそ美しい庭に”…そんな作庭者の想いが込められた、雨の日にまた訪れたい京都の新しいお庭。築110年の京町家をリノベーションし2023年11月開店。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

KYO AMAHARE/京雨晴について

「KYO AMAHARE」(きょう・あまはれ)は京都市の代表的観光スポット・錦市場の一本北の通り、蛸薬師通の築110年の京町家を活用/リノベーションして2023年11月にオープンした工藝品店/ギャラリー・ショップ。
伝統的な京町家のお庭は、東京・世田谷を拠点に“景色盆栽作家”として活躍する小林健二/品々の監修により再生・改修されました。

《雨の日も晴れの日も心からくつろげるくらし。》をブランドコンセプトとして2015年に東京・白金台にオープンした、日本の工芸を取り扱うブランド/ショップ“雨晴”。その2店舗目として京都の中心市街地・薬師通柳馬場東入ルの京町家を舞台に新たに開かれたのが「KYO AMAHARE」。

大正2年創業の「赤井峰太郎商店」(現・株式会社AKAI)の店舗兼住居として明治時代末期〜大正時代初期に建築された京町家。数年前に住居としての役目を終え、方向性を模索されていた中で、今回の店舗の内装にも深く関わっている京都・綾部の和紙作家:ハタノワタルさんが繋がれたご縁でギャラリー・ショップに生まれ変わりました。

玄関、柱や梁など元の京町家の姿を残しながら、床や階段は新しくされたモダンな店内は東京の店舗の3倍もあるそう。1階では全国の工芸作家/職人のうつわが並び、2階には雨晴が手がけるアートプロジェクト《雨跡/AMART》による展示も。内装の設計はデザイン事務所:TONERICO:INC.

表から見ていた印象よりも大型な京町家には(トオリニワと合わせ)3つのお庭が。まずは玄関から除く坪庭、そしてかつての主座敷から眺めていたであろう奥庭/主庭。いずれも、まるでこれまでもこの場にあったかのような庭園ですが、実は開店に際して新たに改修されたもの。

作庭を手掛けたのは雨晴と元々縁のあった、「景色盆栽作家」小林健二さん/品々の監修。国内での修行の後にアメリカでも活動され、現在は東京・世田谷/自由が丘に“景色盆栽”のお店「品々」も営まれています。
主庭の奥に見られる石塔などは元からこのお庭にあったもの。数年放置され伸びきっていた植栽の一部や苔は新たにしつらえられたそう。“雨の日こそ美しい庭に”…という想いが込められたこのお庭。庭石も苔も雨の日に輝きを放ちそう!

2024年春には主庭の奥に見える蔵に「茶房 居雨」を開業予定。実際に店舗で扱われているうつわを使ってお茶をいただける予定だとか。

ちなみに、この「雨晴/AMAHARE」を運営するオモビト株式会社は、北陸・富山は高岡市に本社を構えるインテリア会社。高岡市と言えば国宝『瑞龍寺』や国選定重要伝統的建造物群保存地区『金屋町』『山町筋』でも知られる“小京都”。そして景勝地として知られ、名前の由来でもあろう“雨晴海岸”のある街。各地の工芸品に惹かれた方はぜひ当地に訪れて文化の深みをより感じてみて。

(2023年11月・12月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

京都市営地下鉄烏丸線 四条駅より徒歩10分
阪急京都線 烏丸駅・京都河原町駅より徒歩8分
最寄りバス停は「四条高倉」「四条烏丸」バス停 徒歩7分

〒604-8063 京都府京都市中京区蛸薬師通柳馬場東入油屋町127 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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