金沢城の大手堀からすぐ。豪姫の屋敷跡に残る、世界的科学者・高峰譲吉の実家と明治時代の近代和風建築&庭園。
黒門前緑地(旧検事正官舎・旧高峰家)について
「黒門前緑地」(くろもんまえりょくち)は国指定史跡『金沢城跡』(金沢城公園)の北西部と近接する公園。敷地内には明治時代に建てられた二つの建築「旧高峰家」と「旧検事正官舎」があります。
これまでの金沢旅行でも何度も通りかかってた場所だったけど、ちゃんと見たことがなかったので訪れた…のですが、2020年はCOVID-19の影響で屋内の見学は休止中でした。
金沢城の大手堀がすぐ外にあるこの地は江戸時代には前田利家の四女であり豊臣秀吉の養女、岡山城主・宇喜多秀家の正室となった豪姫の屋敷があった場所とされます。
洋風の「旧検事正官舎」は1910年(明治43年)に建築。当初は『兼六園』付近にありましたが、区画整理に伴い1918年(大正7年)に現在地に移築。今回は見学できなかったけど…洋風の外観ながら内部には格天井の座敷などが見られる近代和風建築なんだそう。1995年(平成7年)まで金沢地方検察庁検事正官舎として用いられていました。
一方で「旧高峰家」は“アドレナリン”の発見者として世界的に知られる科学者・高峰譲吉の実家で、加賀藩の御典医だった父・高峰精一の邸宅として1872年(明治5年)に建てられたものの一部。書斎・茶室として利用されていた“離れ”で(待合もある)、一時「金沢湯涌江戸村」に移築・保存されていたものがこの地に再移築されました。
現在は渡廊下で繋がっているこの2棟を取り囲む形で和風庭園があります。
過去の航空写真をぼんやり眺める限り、庭門の先の旧高峰家前の庭園は移築に伴って作庭されたもののようだけど、旧検事正官舎の南に面する庭園は昭和中頃の航空写真でもその姿が見える。多少手は加わっているだろうけど、大正時代に移築された当時から残るものかもなあ。また次回、屋内から眺めてみたい!
(2020年10月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)