倉吉淀屋(旧牧田家住宅)庭園

Kurayoshi Yodoya Garden, Kurayoshi, Tottori

“白壁土蔵群”の古い町並みに残る、大阪・淀屋橋の由来の豪商“淀屋”の屋号を受け継いだ倉吉最古の商家建築。倉吉市指定有形文化財。

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倉吉淀屋(旧牧田家住宅)庭園について

「倉吉淀屋」(くらよしよどや)は国の重要伝統的建造物群保存地区・倉吉市打吹玉川の“白壁土蔵群”の町並みにある江戸時代の町家・商家。倉吉で現存する最古の商家建築で、「旧牧田家住宅」の指定名で倉吉市指定有形文化財。

2022年春に約6年ぶりに倉吉へ。目的は先に紹介した国・県の文化財庭園『小川氏庭園“環翠園”』だったけれど、その他の公開されている文化財施設で小川家とも繋がりがあったとされるのが牧田家。庭園としてはこじんまりだけど紹介します。

牧田家は1700年代前半〜明治維新後の1895年まで続いた江戸時代の倉吉を代表する商家の一つ。
当時から屋号は“淀屋”。この淀屋は現代の大阪にも“淀屋橋”として地名が残る大坂の豪商・淀屋との繋がり/関連から来るもので、初代・牧田仁右衛門は大坂の淀屋で番頭だった人物。暖簾分けされ出身地の倉吉に淀屋を開きました。

一方で本家の淀屋はその財力を幕府に警戒されることになり、闕所(財産没収)処分されることに。結果的に淀屋を引き継ぐ形となった牧田家、二代目・牧田孫三郎が大坂にも進出すると三代目・牧田五郎右衛門の次男は元々の淀屋のあった“大川町”に木綿商として店を構え“淀屋清兵衛”を名乗りました。

そんな牧田家の住宅兼店舗がこちら。江戸時代中期の1760年(宝暦10年)に建築された主屋、1838年(天保9年)に建築された数寄屋風の意匠が素敵な付属屋が現存します。(2006年に倉吉市に建物を寄贈・土地が購入された後に復原修理されているため、一部の木材は新しい色をしている)

付属屋の奥に座敷から眺める庭園があります。この庭園の奥には観光駐車場があるのだけど、おそらくかつてはそこも牧田家の敷地(庭園)だったんじゃないかな…。(木塀含めて、現在の敷地に縮小された時に作り直したのかなという感じがする)

無料で見学ができる施設なので倉吉観光の際の休憩場所としても!ちなみに国登録有形文化財の銭湯“大社湯”まで徒歩1分以内。

(2022年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR山陰本線 倉吉駅より4.5km(駅にレンタサイクルあり)
倉吉駅より路線バス「新町」バス停下車2分/「白壁土蔵群前」バス停下車 徒歩5分

〒682-0873 鳥取県倉吉市東岩倉町2280-3 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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