旧永楽庵庭園“三楽庭”Kyu-Enrakuan Garden, Misasa, Tottori

“世界屈指のラジウム泉”日本遺産・三朝温泉の観光駐車場に残る、昭和の作庭家・重森三玲の枯山水庭園。ポケモンマンホールも!

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旧永楽庵庭園“三楽庭”について

「旧永楽庵庭園・三楽庭」(きゅうえいらくあんていえん・さんらくてい)は皆生温泉と並び鳥取県を代表する温泉地『三朝温泉』の観光者向け駐車場に残る庭園。作庭者は昭和の日本を代表する作庭家・重森三玲

2022年春、6年ぶりに鳥取県中部の倉吉の倉吉白壁土蔵群の町並みへ。そして倉吉の奥座敷・三朝温泉を初めて訪れました!“六根清浄と六感治癒の地”にも選定されている三朝温泉。その代表的なお寺『三徳山投入堂』は死ぬ前に一度訪れたい修験道…。(今回は行けなかったけど…)

その三徳山参詣とも深く結びつき、平安時代に発見され約900年の歴史をほこる三朝温泉は1916年(大正5年)に石津利作薬学博士によって“世界屈指のラジウム泉”と発表されると入湯客が増加、近代〜昭和にかけて温泉街としての開発が進みました。三朝川に架かる“三朝橋”や『木屋旅館』『大橋旅館』はいずれも近代の建築で国登録有形文化財。

この庭園は現在温泉街の駐車場の一角に残されていますが、駐車場のある場所にはかつて旅館『永楽庵』が存在していました。

他の三朝温泉の旅館で見ても『後楽』には建築家・堀口捨己が関わっていたり、『依山楼岩崎』には神戸の著名な庭師が関わっていたりと“都心部で活躍する名匠”が招かれた中、庭園を重視した永楽庵が招いたのが重森三玲。

庭園は第一期:1954〜1955年に池泉庭園と枯山水、第二期:1966年に別館に枯山水庭園を作庭。第一期と同時期には『西禅院庭園』などの高野山の宿坊をはじめ、宿泊施設への庭園が増えていた時期。

現在残る庭園“三楽庭”は日本で初めて“州浜形廻遊式”と呼ばれた(コンセプトとして自称した?)庭園で、先述の高野山の庭園と比べると“オーソドックスな日本庭園”寄り。元々は中庭だったとあるけど現在は南西の方角の山々の借景が美しい…築山の三つのコブも山々の姿を模しているようにも思える。

なお、2013年の国土地理院の航空写真で見るとこの駐車場はまだ整備前で一面が緑の状態、この庭園も草に覆われて存在が確認できない…。なので2016年頃駐車場がオープンする時にだいぶ修復されているはず。今回訪れた時期は枯池の畔の黄菖蒲の花が美しかったけど、これもその修復の際に加えたものなんだろう。おそらく最も美しいのは主木の大島桜が咲き誇る4月初旬!

…そんな風に修復されて残された貴重な庭園もGoogleマップでは☆2.3と非常に評価が低い…。まあここに限らず地方の日本庭園って点数低い所多いんですけど。地元の人に“残したいもの”と思ってもらえるかどうかは今後の活動に掛かっているかな…。なお駐車場にはサンド・アローラサンド・ケロマツのポケモンマンホール(ポケふた)も!

(2022年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR山陰本線 倉吉駅より約9km(駅にレンタサイクルあり)
倉吉駅より路線バス「温泉南口」バス停下車 徒歩1分

〒682-0123 鳥取県東伯郡三朝町三朝791-1 MAP