屋部の久護家

Kugo Residence Garden, Nago, Okinawa

フクギ並木で囲われた独特の集落景観の中にたたずむ、戦災を免れた明治時代の近代琉球建築。沖縄県指定有形文化財。和の影響がミックスされた庭園も。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

屋部の久護家について

【建物外観のみ公開】
「屋部の久護家」(やぶのくごけ)は沖縄本島北部の最大都市・名護市にある沖縄県指定有形文化財の建築。明治時代後期に建立され、沖縄戦の戦災を免れた貴重なお屋敷で、現在もお住まいのため外観のみの見学可能。主屋を囲うように芝庭〜池泉庭園があります。

名護市の中心市街地から西へ約3〜4km。台風などの強風からお屋敷を守るためのフクギ並木に囲われた独特の景観を残す屋部の久護集落。その集落の名にもなっている、古くからの当地の旧家が「屋部の久護家」。

沖縄の古民家の特徴の一つでもある屏風(ヒンプン)の先に現れる赤瓦の主屋、その中央には屋根獅子・シーサーの姿。建築されたのは1906年(明治39年)と年代だけなら実は同じ名護市の国指定重要文化財『津嘉山酒造所』よりも若干古い。建物内は見られませんが、広い間取りや天井の高さ、深いアマハジ(軒)などに琉球の豪農屋敷の特徴が残されてるそう。

主屋の東側に細長い池と築山による庭園があります。その構成やお屋敷の東側にある点など、国登録名勝の『津嘉山酒造所庭園』とどこか似た雰囲気を感じます(庭石の印象こそ大きく異なるけれど)。池の右手側にある低木の刈り込みなど、時代的にもこちらも「内地からの影響を受けはじめた」庭園なのかも。

この池庭以外にも、芝庭に配された大きなソテツやその一角にある花壇など、同じ琉球の古民家系でも中城の『中村家住宅』ともタイプの異なるお屋敷の庭園。沖縄県北を訪れた際にはぜひチェックしてみて。

(2024年1月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

那覇空港より高速バス「北部会館」バス停下車 徒歩15分強、「名護バスターミナル」バス停下車 徒歩25分
名護市内の路線バスに乗り換え、「屋部」バス停下車 徒歩3分

〒905-0007 沖縄県名護市屋部175 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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