“高野八傑”道範大徳ゆかりの別格本山寺院に、重森三玲の作庭した苔と岩壁の美しい枯山水庭園。国登録名勝。
高野山 正智院庭園について
「正智院」(しょうちいん)は高野山真言宗の別格本山の寺院であり、壇上伽藍にも近い高野山の宿坊。重森三玲により作庭された枯山水庭園は国の登録記念物(名勝地関係)となっています。
2019年夏、5年ぶりに高野山へ行きました!初めて訪れた前回は高野山開創1200年の年で、幾つかの宿坊で重森三玲作庭の庭園が特別公開されたのをきっかけに訪れたのですが『正智院』もその一つでした。今回は『金剛峯寺蟠龍庭』も初めて見学したけど、目的はこの庭園の再訪。
前回訪れた時は説明板がなかった記憶がうっすらあり…公式サイト等も無いのでこのお寺についての情報がなかったのだけど、今回訪れたら説明板があったのでそちらを参考にしながら。(そして2020年に再び訪れたので、その際の写真を追加。サツキの花が見頃!)
正智院は平安時代後期、教覚正智坊により創建。鎌倉時代の高野山の代表的な学僧・道範大徳が中興。この道範大徳は“高野八傑”の1人とも言われます。
高野山が各大名の信仰を集め始めた江戸時代以降では筑前の黒田家、薩摩の島津家の信仰が厚かったそう。また国宝に指定されている唐の時代の漢詩文集『文館詞林』(Wikipedia)の一部を正智院が所有しています。この文化財のことは初めて知ったけど、当初唐で1000巻に渡って制作され、現在は日本国内に数十残るのみ…というのは興味深い。
昭和27年(1952年)、重森三玲が水墨画水画的な発想を元にして作庭したのがこの枯山水庭園。その横長の庭園の中に用いられた石の数は60個以上。庭園の背景にある岩壁“明神岩”との組合せがかっこよく、そして苔も美しい庭園!
“明神岩”は道範大徳がこの場所で明神様を感得したことから名付けられたとされます。その明神様は高野明神、影向明神と言われ、弘法大師空海を高野山に導いた明神様――と伝わることから、数百年間に渡ってこの岩も聖なる岩として語り継がれているそう。
高野山の宿坊の庭園は表向きには情報が無いけど“宿泊のお客様対応がないタイミング”であれば拝観できたりします。けど、都合がつけばぜひ(訪日客の少ないうちに)宿泊も!
(2015年5月、2019年8月、2020年6月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
高野山ケーブル 高野山駅より路線バス「高野山高校前」バス停下車すぐ
「金剛峯寺前」バス停より徒歩7分
〒648-0211 和歌山県伊都郡高野町大字高野山159 MAP