光明寺庭園

Komyo-ji Temple Garden, Kamakura, Kanagawa

国指定重要文化財の鎌倉最大級の本堂から臨む小堀遠州作庭庭園と枯山水の石庭。観光客の少ない鎌倉の穴場庭園。

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鎌倉光明寺庭園について

鎌倉・材木座海岸の程近くに位置する「光明寺」(こうみょうじ)は鎌倉時代に4代目執権・北条経時によって開かれた寺院で、浄土宗の関東総本山。楼閣「大聖閣」をのぞむ池泉鑑賞式の“記主庭園”小堀遠州作庭説があるとされ、本堂の横にはサツキの刈り込みが見事な枯山水庭園“三尊五祖の石庭”があります。また江戸時代初期に建立された本堂が国指定重要文化財。

3年続けて枯山水庭園のサツキの花が咲く時期(5月下旬)に訪問!これまで3度訪れましたが、北鎌倉の円覚寺〜建長寺や鎌倉駅〜江ノ電沿いの寺院(長谷寺など)、そして報国寺〜浄妙寺あたり…と言った定番観光エリアから完全に外れた位置だからか観光客がほとんど居ない印象(レンタサイクル場にある「古都鎌倉十三佛霊場」のパンフレットにも含まれていない)。近くの材木座海岸目当ての方々の姿の方が確実に多い。

けど決してイマイチな場所ではなく…むしろ3年連続で訪れるぐらいなので個人的に鎌倉で一番好きな庭園はここかなあ。“三尊五祖の石庭”は(そもそもあまり無いのもあるけど)関東屈指の枯山水の石庭だと思うし、小堀遠州作庭説のある池泉庭園“記主庭園”もスケールが大きい。ちなみに“記主”というのは、開基である浄土宗三祖然阿良忠上人が伏見天皇より“記主禅師”の謚号を賜ったことに由来するものと思われます。
人が少ないから静かに鑑賞できる――だから好きというのもある。鎌倉の穴場庭園。(7月に訪れたイベントで、最近テレビでも人気の庭師・村雨辰剛さんも好きな庭園の一つに挙げていました)

追記:
“三尊五祖の石庭”について作庭者が分かっていない…と記していましたがFacebookで情報をいただきましたので追記。昭和48年に日本庭園研究会の10周年事業で寄贈されたもので、日本庭園研究会会長の吉河功さんによって作庭。手掛けている他の庭園もかっこいい…こんな方がいらっしゃったのか…。敷石などが重森三玲さんっぽいなあとは当初から思っていたのですが、それもそのはず、吉河功さんは重森三玲に師事していました。

室町時代には後土御門天皇による勅願寺となり、江戸時代には徳川家康により関東十八檀林(幕府の定めた学問所)の筆頭に。国重文の鎌倉最大級の本堂のみならず、江戸時代後期に建立された巨大な山門も現存する鎌倉最大規模の門として神奈川県指定重要文化財となっており、掲げられている「天照山」の扁額は室町時代に後花園天皇より下賜されたものとのこと。
またこれら以外にも国宝「当麻曼荼羅縁起絵巻二巻」のほか、国重文の「当麻曼荼羅図」「浄土五祖絵伝」といった文化財も所有。(これら国宝、重文は現在は鶴岡八幡宮の「鎌倉国宝館」に所蔵されているので、お寺に訪れての拝観・鑑賞はできません)

その他季節に応じてさまざまな特別拝観・展示が催されており、前述の山門や蓮池の向こうにのぞむ「大聖閣」の特別拝観が行われることも。蓮が見頃となる7月下旬には『観蓮会』が行われ、その茶席で大聖閣に入ることができるそうです。大聖閣から見る“記主庭園”やその先の由比ヶ浜の景色がまた良いのだろうな〜。いつかその時期にも訪れたい!

(2017年5月、2018年5月、2019年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR横須賀線 鎌倉駅から徒歩25分(※駅前にレンタサイクルあり)
江ノ島電鉄線 和田塚駅・由比ヶ浜駅より徒歩20分
鎌倉駅より路線バス「光明寺」バス停下車 徒歩1分

〒248-0013 神奈川県鎌倉市材木座6丁目17-19 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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