光明寺 安楽院庭園

Komyoji Anrakuin Temple Garden, Nagaokakyo, Kyoto

“京都の紅葉の名所”の通常非公開の塔頭寺院、紅葉期間限定で茶房としてオープン。モミジが赤く染まる庭園を眺めながらのカフェとスイーツが◎!

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光明寺 安楽院庭園について

【通常非公開】
「安楽院」(あんらくいん)は京都・西山にたたずむ紅葉の名所寺院『光明寺』の塔頭寺院。通常非公開ですが、光明寺の特別入山の時期に期間限定で『門前カフェ “茶房 安楽院”』がオープン。紅葉が赤く染まるお庭を眺めながらコーヒーやスイーツをいただけます。

京都の洛西に連なる「西山」。東山と同じく歴史ある寺社仏閣が点在しますが、その中でも“西山三山”に数えられる大寺院の一つが西山浄土宗の総本山の「光明寺」。現在は京都の紅葉の名所として人気のお寺の一つ。

その総門前、「浄土門根元地」の石碑のある辺りに2つの塔頭寺院が並びます。そのうちの一つが「安楽院」。通常非公開ですが、2023年、2024年と光明寺の特別拝観に合わせて『門前カフェ “茶房 安楽院”』としてオープン(のれんがめちゃくちゃかわいい!)。オリジナルの生菓子「西山の錦」にお抹茶と“和”のものから、コーヒー/カフェラテにケーキも。

お寺の歴史に関する情報はリサーチ不足なのですが――昭和の戦前〜戦後には日本とタイの架け橋としても活躍された僧侶・泉学洲/泉虎一という方が住職を務められていました。
日本とタイ国(当初はシャム国)との友好の為に近代に建立された名古屋の大寺院『日暹寺』(現・日泰寺)。浄土宗光明寺派の僧侶でありながら日暹寺の留学生としてシャム国へ派遣された泉さん。帰国後、その経験を活かし制作された「暹日辞典」や現地の方(主に軍人向け)に制作された日本語教科書『日暹会話便覧』は日・タイ間の交流活発化にも貢献、戦前の海外の日本語教科書の事例の一つとして、現在は大学・研究者による研究対象となっています。

“カフェ”となった書院から眺められる庭園は、苔庭を主体として、周囲のモミジの木がお庭を彩る枯山水庭園。向かって右手奥に緩やかな築山と枯滝石組が配されています。庭園についてもあまり詳しい事はお聞きできなかったのですが、航空写真等で見る限り現在の庭園は先述の泉さんからご住職が代わられて以降、昭和時代後期〜平成年代初期に作庭されたもの(1980年代はお庭は別の姿)。

本山に負けず劣らずの紅葉の姿……光明寺の特別入山へ訪れている人の多さの割には空いている印象(というか空間独占)だったので落ち着いてお庭も眺められる――もっと人気出ても良いはず!!!2025年も開くようであれば、逆にこの茶房目的で光明寺に訪れても良いぐらい…!オススメ。

(2024年12月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

阪急京都線 長岡天神駅より路線バス「光明寺」バス停下車 徒歩4分
阪急京都線 長岡京駅より約2.5km/西向日駅より約3km(共に駅前にレンタサイクルあり)

〒617-0811 京都府長岡京市粟生西条内12 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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