飛鳥時代創建の山陰屈指の古寺は紅葉の名所。国指定重要文化財の本堂や、現在は非公開の室町時代の庭園も。
清水寺光明閣書院庭園について
「瑞光山 清水寺」(きよみずでら)は飛鳥時代に創建された山陰屈指の古寺。南北朝時代の1393年(明徳4年)に建立された本堂(根本堂)や平安時代~鎌倉時代作の複数の仏像が国指定重要文化財。また現在非公開の「光明閣書院庭園」は室町時代の庭園と言われます。
2020年11月、島根の庭園を巡った際に紅葉の名所として人気の安来清水寺も初めて拝観。
用明天皇2年(587年)に山城国出身の尊隆上人により創建。その10年後の597年に推古天皇の勅願で本堂が建立。
平安時代に入り806年(大同元年)に平城天皇の支援を受けた盛縁上人により中興。847年(承和14年)に比叡山延暦寺を開いた最澄の高弟・慈覚大師円仁が唐から帰国する途中に立ち寄り、それ以来天台宗の寺院に。
その後最盛期には46の僧坊を持つ中国地方・山陰随一の寺院となりましたが、戦国時代に安来周辺で繰り広げられた尼子氏と毛利氏の合戦の舞台となり、根本堂を除き全て兵火で焼失。
それ以降は毛利家や松江藩主・松平家の庇護により伽藍の再建が進められ、本堂と並び清水寺のシンボル的存在・三重塔(島根県指定有形文化財)は1859年(安政6年)の建造物。山陰で唯一現存する木造の三重塔でもある。
元々は鬱蒼とした山に開かれた清水寺も現在は清水月山県立自然公園の一角として島根県内で数少ない歴史的自然景観保全地域となっていて、秋には紅葉ライトアップも。(2020年は未開催?)
そんな清水寺で現在は非公開となっているのが“光明閣書院庭園”。松江藩主が御成りの際に利用された本坊“大宝坊”の書院(江戸時代中期建立)から眺められる庭園で、書院の前に配された“一文字池”は、満月を水面に映し観月するためのもの――この辺のセンス、松平不昧公ゆかりの『普門院・観月庵庭園』前の庭園と同じ…!
そして境内にある唯一の現存する塔頭寺院『蓮乗院』の“古門堂茶室及び巖松軒茶室 附露地”が島根県指定有形文化財。蓮乗院庭園もかつては公開されていたみたい…。
春期・秋期のみ期間限定で特別公開される宝物館(宝蔵)では国指定重要文化財の木造十一面観世音菩薩立像、木造阿弥陀如来坐像、摩多羅神像を拝むことができます。また安来へ行った際は立ち寄りたい名刹!
(2020年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR山陰本線 安来駅より約7km(*駅にレンタサイクルあり)
安来駅よりコミュニティバス「清水寺」バス停下車 徒歩20分強(時刻表はこちら)
〒692-0033 島根県安来市清水町528番地 MAP