清水寺 成就院庭園

Kiyomizudera Temple Jojuin Garden, Kyoto

国宝“清水の舞台”が有名な京都を代表する世界遺産寺院。通常非公開の庭園“月の庭”は江戸時代の俳人・松永貞徳作庭の“雪月花の三名園”の一つ。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

清水寺成就院庭園 / ARTISTS' FAIR KYOTO 2022について

「音羽山 清水寺」(おんわさん きよみずでら)は世界遺産“古都京都の文化財”にも構成される京都で最も有名な寺院の一つ。“清水の舞台”で知られる本堂がであるほか多くの建造物が国の重要文化財に指定、また本坊の「成就院」にある庭園“月の庭”が国指定名勝です。

通常非公開の『清水寺成就院庭園』。例年春と秋に期間限定で特別公開がありますが、2022年は3月に現代アートの祭典『ARTISTS' FAIR KYOTO 2022』の会場に、そして6月25日〜7月10日の期間では『FEEL KIYOMIZUDERA』プロジェクトの展覧会『柿本ケンサク写真展-TIME-音羽山清水寺』が開催。

これまで通り“庭園の撮影は不可”でしたが、「展示されたアート作品は撮影OK」(ARTISTS' FAIR KYOTO 2022では、お庭の手水鉢に展示された椿昇さんや、お庭の作品を写す井口皓太さんの作品は撮影可でした)。そのアート作品と境内を紹介します。

まずは清水寺の歴史について。平安京遷都以前、奈良時代の778年(宝亀9年)に創建。直後に京都東山三十六峰・音羽山を訪れた坂上田村麻呂との出会いと寄進によりほぼ最初期の本堂が建立されたそう。

その後平安時代には『源氏物語』や『枕草子』にも描かれる京都の有力寺院の一つに成長するも、応仁の乱や延暦寺の僧兵との騒乱などでたびたび焼失。
“清水の舞台から飛び降りる”でお馴染み、日本の最も有名な懸造建築である本堂は1633年(寛永10年)に江戸幕府三代目将軍・徳川家光の寄進で再建されたもの。近年、2017年には大きな修復工事も行われていました。1〜2枚目の写真の通り、初夏〜夏に掛けては一面の青もみじ、秋には紅葉の景色が楽しめます。

そんな清水寺の境内の北部、仁王門から左手へ向かった場所にあるのが清水寺の本坊『成就院』。その庭園“月の庭”は『清水寺成就院庭園』として国指定名勝であり、『北野天満宮“花の庭”』『妙満寺庭園“雪の庭”』とともに江戸時代の歌人/俳人・松永貞徳が作庭した“雪月花の三名園”(雪月花の三庭苑)とも称されます。(なおその前身の庭園は『銀閣寺庭園』などを手掛けた相阿弥や大名茶人・小堀遠州により手掛けられたものとも)

北側の東山・霊山方面の山の風景を借景とした庭園で、その心字池に映る月の姿が見事なことから“月の庭”と呼ばれたとか。シンプルに“風景も植物も刈り込まれた姿も美しい庭園”なのだけど、中島でお辞儀してる白い岩(烏帽子石)を筆頭に、灯籠を挟んで並びにある籬島石など、要所に奇石がアクセントになっている所がそそられる庭園…。

そんな成就院の“庭園”も含め舞台になったのが『ARTISTS' FAIR KYOTO』
2022年が5回目のこのイベント、メイン会場は若手アーティスト中心での展示だったけれど、この清水寺会場ではSNSでもバズったYotta、宮島達男、塩田千春、ヤノベケンジ、そして“庭園”でも当サイトで紹介してる名和晃平!など有名人気アーティストも。

6/25〜7/10に開催中の『FEEL KIYOMIZUDERA』プロジェクトの展覧会では、清水寺が歴史的な観音霊場であることをテーマとした写真家/映像作家・柿本ケンサクさんの新作“KAN-NON”をはじめとした作品が、成就院やの「経堂」や「西門」の前に展示。夏の庭園の姿とともに見に訪れてみて。

(2015年3月、2022年3月、2023年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

京阪本線 清水五条駅より徒歩20分強
最寄りバス停は「五条坂」「清水道」バス停 徒歩10分

〒605-0862 京都府京都市東山区清水1丁目294 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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