2018年に国の重要伝統的建造物群保存地区となった“蔵のまち”喜多方で見掛けた、小規模ながら面白い庭園たち。
喜多方蔵のまち庭園群について
蔵造り商家の町並みが残る“蔵のまち”喜多方には、先に紹介した『旧甲斐家蔵住宅』の庭園や『ほまれ酒造』の庭園以外にも住宅・建築に隣接する日本庭園の姿がちらほらと見られます。
特に冒頭の写真、『吉の川酒造』の庭園が個人的にはとてもインパクトがあって、でも規模としては小規模なので――どのようなタイトルで紹介しようか迷ったのだけれど、喜多方で見たそれ以外の庭園を紹介。いずれも通り掛かった時に「なにこれ気になる」と思って見学したものです。
■吉の川酒造庭園(1〜4枚目)
「甲斐本家」からも程近く、喜多方のメインストリート沿いにある酒蔵。醸造されているお酒は喜多方市内のみで98%のシェアを占めるという完全ローカルな地酒(次回行く時は呑みたい…!)。
レンガに溶岩石のような石が張り付いた岩組というのがとても独特な枯池式の庭園はインパクト大。煉瓦+和風庭園という組合せってなかなか見る機会無いし、かと言って普通の和風庭園では凡庸なものになってしまうという想いでこのような岩が使われたのだろうか。規模は大きくないし、当然情報も全く無いのですが、個人的にはとても好きです。そして煉瓦と庭園の先に見える赤瓦の座敷・蔵との組合せがまた良い!
■東町蔵屋敷 会陽館庭園(6〜10枚目)
今回喜多方訪問の目的は庭園ではなく(ましてやラーメンでもなく(食べたけど)))、2018年に国の重要伝統的建造物群保存地区となった『喜多方市小田付』の町並み。その小田付の町並みの観光案内所となっている『東町蔵屋敷 会陽館』は江戸時代後期に建てられた古い蔵を改修したもの。
この蔵の所有者だった五十嵐家は江戸時代から近代に掛けて蚕糸業・製糸業で喜多方の経済を牽引していた旧家。多くの蔵がある喜多方の中でも貴重な江戸時代以前の蔵として2つの蔵が市に寄贈され、2013年に改築され現在は観光案内所兼フリースペースとして利用されています。
2つの蔵の間に池泉回遊式庭園の遺構らしきものがあります。五十嵐家の格式を考えると往時の庭園はこんな規模のものではなくてもっと大きいものだったんじゃないかな〜と思うのだけれど、案内所で聞いた限りは「改修以前からあったもの」ではあるとのこと(改修時に作庭ということでは無い)。往時の庭園の一部遺構という感じなのかな。
■矢部家住宅園路(11枚目)
そして小田付の町並みでひときわ大きな蔵座敷が矢部家住宅。座敷蔵など複数の蔵が国登録有形文化財であり、「大善」という屋号で観光案内サイトにも載っています。このページにある通りこちらにもどうやら日本庭園があるようで――残念ながら非公開なのですが――大通りから一本中に入ったところには最近造園されたっぽい園路があります。赤瓦の通路のデザインが良い!いつか中の庭園も見てみたいな〜。
今回紹介した以外にも色んなタイプの庭園が喜多方には眠っているのではないかと思います。今回喜多方では寺社仏閣系には足を運ばなかったので…次回はそういったところも含め色々見たい!
(2019年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
(蔵屋敷小田付観光案内所のアクセス情報)
JR磐越西線 喜多方駅より徒歩約25分(駅周辺にレンタサイクルあり)
〒966-0051 福島県喜多方市東町4088-1 MAP