小江戸川越を代表する寺院に残る、江戸城から移築された徳川将軍ゆかりの御殿と再現された枯山水庭園。
喜多院庭園について
「喜多院」(きたいん)は川越大師としても知られる、小江戸・川越を代表する寺院。蔵造りの町並みからは徒歩10分強の距離。創建は平安時代ですが、江戸時代に徳川秀忠・家光をはじめ徳川将軍家に保護されて以降大きく繁栄。
江戸時代初期の川越大火で建物の多くを失った際には3代将軍・徳川家光の命により江戸城紅葉山御殿の一部を移築し再興。現在も喜多院の書院・客殿・庫裏として現役で、その他にも江戸時代に造られた山門や鐘楼門などとともに国指定重要文化財となっています。東京圏では国重要文化財の建築が非常に多いお寺さん。また日本三大羅漢とも言われる五百羅漢も有名。
喜多院では遠州流の庭園が複数見られます。まず「徳川家光誕生の間」とされる客殿前に広がる「紅葉山庭園」は、御殿を江戸城から移築した際にその庭園を再現したものとのこと。なのでそれが正しければ江戸時代初期の作庭ということになります。その名の通りドウダンツツジ?の刈込や紅葉が美しそう(今回、ピークには少し早かった…)。
また「春日局化粧の間」と言われる書院の前の枯山水書院式曲水の庭園も素晴らしい。こちらは近年造られたものだそう(現代なのかは近代なのかは不明 追記:約40年前の昭和年代に造られたものだそうです)。東京近郊であまりこうした形の枯山水庭園を見ない気がするので貴重。
本堂と庫裏を結ぶ渡り橋に「轉合の庭」(てんごうのにわ)という名での説明があるのですが、これが紅葉山庭園・書院庭園のどちらを指しているかは不明。場所的には紅葉山庭園だけど説明の内容的には書院庭園にも思える…。ちなみに現在東京国立博物館の庭園に移築・保存されている小堀遠州の茶室の名が「転合庵」と言うので、遠州好みの言葉遣いなのかな。
(2016年9月、2018年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
西武新宿線 本川越駅より徒歩10分
東武東上線 川越市駅より徒歩17分、JR川越線 川越駅より徒歩20分
〒350-0036 埼玉県川越市小仙波町1丁目20-1 MAP