若者世代に人気の“濃い抹茶パフェ”も。京都の名料亭の新業態・茶房は空間も京都の一流職人の作。建築は中村外二工務店、庭園は明貫厚の作庭。
菊乃井 無碍山房について
「菊乃井」は大正時代創業の京都を代表する料亭の一つ。その本店のお隣にある「菊乃井 無碍山房」(きくのい むげさんぼう)は2017年4月に開店した「時雨弁当」と「喫茶」のお店。その建築は京都を代表する数寄屋大工・中村外二工務店、庭園は京都の庭師、明貫造園・明貫厚さんの作庭。
ずっと前から行きたいなあ…と思いながら行けてなかった無碍山房。2022年秋の紅葉の終わりかけの時期に初めて訪れました!
京都東山の中腹、国指定名勝『円山公園』や『高台寺』にほぼ隣接しながら一般的な観光ルートからは外れた閑静な場所に佇む「菊乃井」の本店。豊臣秀吉の正室・北政所(高台院)が茶の湯に用いた「菊水の井」を守った茶坊主がそのルーツで、その菊水の井の水を用いた料理店として開かれました。本店は「ミシュランガイド 京都・大阪2023」でも3つ星を獲得、現在では京都だけでなく東京で料亭が集積する赤坂にも店舗を構えられています。
お昼の懐石がおおよそ15,000円〜…と訪れるにはハードルが高い名料亭。そんな菊乃井の本店に隣接する茶房『無碍山房』は菊乃井の味を(多少)リーズナブルに味わえる「時雨弁当」とわらび餅などの甘味を味わえるお店。中でも人気は「無碍山房濃い抹茶パフェ」。こちらをお目当てに訪れる若い方の姿も多い!
そんな“京都の名料亭”が開いた茶房は空間も京都の一流職人により手掛けられています。まずその建築は菊乃井三代目・村田吉弘さん監修の下で中村外二工務店によるもの。手前にはカウンター席、奥にはテーブル席があり、そのカウンター席やチェアなどのインテリアは北欧製で“ガチの和の料亭”とはまた異なる“現代数寄屋建築”。
そして一角には現代芸術家・名和晃平のアート作品も…!しれっと配された《Particle-Mirai》は森山未來のパフォーマンスを3Dスキャンしたデータから生み出されたマイクロビーズの彫像。テーブル席にあるストライプ柄の戸もSANDWICHっぽいデザインだなあーと思ったのだけど、こちらは別のデザイナーさんによるものだった(名前を失念…)。
それぞれの席からは苔の広がる庭園を眺めながら時間を過ごすことができます。元々あった桜の木を主木としながら、すぐ目の前の雄大な東山を借景とした庭園。この庭園を手がけている明貫厚さんは各種メディアで“京都を代表する庭師の一人”とも評されます(本店の庭園も明貫さんが手掛けられているとのことなのでいつか利用したい…)。
繁忙期には開店直後に行っても待ち人数が2桁!にもなる人気店。また桜の花が咲く庭園も見に訪れたいな〜。
(2022年12月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
阪急京都線 京都河原町駅より徒歩15分
京阪本線 祇園四条駅より徒歩14分
最寄りバス停は「祇園」バス停 徒歩7分
〒605-0825 京都府京都市東山区鷲尾町524 MAP